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都会にたくさんある「アレ」もたった一つだけ!ないものだらけの村が大切にしているものは?

2017/06/15ライター:寺田寛

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24時間営業のコンビニ、3分毎に来る電車、都会で暮らしているとあまり意識することはないかもしれませんが、本当に便利な世の中ですよね。 ところが、山梨県の山間部にある小菅村では、そういった都会によくある便利なものが全くありません。


小菅村は、山の中に村があるという感じです



村の商店はほとんどが遅くても8時ごろには閉まります。当然村内に電車の駅はなく、最寄りの駅まではバスで1時間かかります。車なしには村外に出ることもできず、村内の移動は道のアップダウンが激しいのでまさに「毎日が山歩き」状態です。


村内の道は坂道と階段ばっかり!



ここまでを聞くと、そんな「ないものだらけな村」は不便でつまらない・・・。と思っていませんか? いえいえそんなことはありません。ないものだらけな村だからこそ生まれる、村の方々の温かなストーリーがあります。

「信号機」に隠された秘密とは…?

みなさんは普段の生活の中で、信号機の「数」を考えたことはありますか? 2015年における全国の信号機数は約20万機、最も多い東京都は15,772機もあるそうです。 ※総務省統計局「社会生活統計指標」より これがどれくらい多いかというと、もし小菅村にも東京都と同じくらいの間隔で信号機が存在していた場合、村内におよそ380機存在する計算になります! 人口およそ740人の村に380機も信号機があったら、きっと小菅村は「源流の里」ではなく「信号機の里」になっていたのではないでしょうか。東京都の信号機の多さが少しだけわかるような気がしますね。 さてそれでは、小菅村には実際何機の信号機があると思いますか? 実は小菅村は、東京都足立区と同じくらいの面積があるにもかかわらず信号機はたったの1機しかありません。 ほかの交差点には一切信号機は存在しません。 そもそも小菅村には三叉路が基本で、十字路自体が少ないのです。


交通量の多い道の駅こすげ入口も当然信号はありません



小菅村にたった1つの信号機を探せ!

では、たった1機の信号機はいったいどこにあるのでしょうか? 実は小菅村の観光マップにも載っていますので見つけてみてください。


見つかりましたか?



正解は、小菅村役場前のT字路です。


ここです!



国道139号線の曲り角でもあり、村内では比較的往来の多いメインストリートにある何の変哲もない「普通の信号機」です。


どこからどう見ても「普通」の信号です



一部押しボタン式で歩行者用信号機があり、通りがかる役場職員やおじいちゃん・おばあちゃんが利用している姿がよく見かけられます。


赤信号はちゃんと止まって青になるのを待ちます



本当はなくてもよかった…?

ただこの信号機、実は設置する時に色々な議論があったそうです。 村民の方々の話によれば、信号機設置の話が出たのは小菅の湯が出来た約20数年前のこと。 当時、村に新たに温泉が開業されることもあり、今後交通量が増えることが見込まれました。 そのため、最も交通量が多い今の場所に信号機を設置したほうが良いのではないかという話が挙がったそうです。 一方で、信号機を設置するほど交通量が多いわけでもなく、事故が多発していたわけでもないのに、「本当に信号機が必要なのか」という意見も多く寄せられたため、村内は賛否両論の状態でした。

それでも作られた「普通の信号機」に込められた、地域の方々の想い

様々な意見が飛び交う村内を一つにまとめたのは、「子供たちの教育のために、信号機は作るべきだ」ということでした。 交通量が増えてくることが予想されていた中、「交通ルールを実際に経験しないまま大人になってほしくない」という村民の共通した想いが、村内の意見を一致させました。 その結果作られたのが、この村内初の信号機です。 この信号機は「ただの信号機」ではなく、村の子供たちのための「教育上重要な信号機」という役割を担って作られたものなのです。 そもそも子どもが少ない小菅村では、「子どもは地域の宝」と言われとても大切にされてきました。 現在小菅村には33人の小学生と、16人の中学生がいます。 人数の少ない学校では、複数学年を1人の先生が受け持つ複式学級になることもあると思います。 でも、個々に行き届いた教育を受けさせたいと考えている小菅村では、複式学級にならないよう村が予算を出して先生を雇ったり、中学三年生時は全員が修学旅行でオーストラリアに行ったりもしています。 つまり、自然だけではない子どもの充実した環境が小菅村にはあります。


学校は小菅村に欠かせない大切な場所です!



オンリーワンがいっぱいの村へぜひお越しください

都会では当たり前の信号機も小菅村ではとても大切な役割を担っています。 同じように、小菅村にはそんな「オンリーワン」なものや人がいっぱいです。 村で一人しかいない駐在さん、村で一つしかないお花屋さんなど、探し始めると数えきれないくらいの「オンリーワン」が見つかります。 ぜひオンリーワンがいっぱいの小菅村へ。そして村で信号機を見かけた際には「あれがあの信号機か」と思っていただければ幸いです。

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寺田寛

NPO法人多摩源流こすげのスタッフとして、毎日小菅村ライフを満喫中!小菅村の魅力を世界に発信すべく、様々なツアーを企画・運営しています。最近の悩みは自分が「雨男」になってきていること。晴れ男になる方法を知っている方はぜひ教えてください!インスタグラム:https://www.instagram.com/terada.hiroshi/

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