あつーい夏に、天然のクーラー「滝」は本当に涼しいかを調査!
2018/09/08 ライター:青栁やすは
暑ーい夏は、体力・気力がうばわれる危険な季節です。
かといってクーラーがききすぎると、体がだるくなるなど、いわゆるクーラー病になってしまうことも。
涼しくなるはずの夜も気温が下がらない熱帯夜は、暑さによって疲労が溜まる一方です。
そんな何かと大変な季節「夏」。
そんな中、クーラーが1台も設置されていない家も少なくない小菅村。
標高は600~700mあり、朝晩はぐっと気温が下がるので、うっかり窓を開けたまま寝てしまうと、風邪をひいてしまうほどです。
そんな避暑地とも言える小菅村。
その中でさらに一番涼しいといわれる場所が「滝」です。
天然のクーラーとも呼ばれる滝。
でも本当に涼しいのでしょうか?
検証してみたいと思います!
涼しさは、どうやって計る?
涼しさは、「体感温度」で計ることとします。
体感温度を計算するには色々な計算式があるようですが、今回はグレゴルチュクさんが考案した「ミスナールの式の改良版」を使います。
この式は、「気温・湿度・風速」の3つの要素から計算するそう。
その計算式がこちら。
【体感温度の計算式】
Tn = 37 – (37 – T) / (0.68 – 0.0014 x H + 1/A) – 0.29 x T x (1 – H/100)
Tn: 体感温度
T : 気温(℃)
H : 湿度(%)
V : 風速(m/s)
A = 1.76 + 1.4 x V ^ 0.75
難しい…。
ささっと計算できそうにない式でした…。
しかし、気温などを入力すれば計算してくれるサイトがいくつかありました。
こちらのサイトを利用することにします。
CASIO https://keisan.casio.jp/exec/system/1257417058
風速は、どうやって計る?
ここで、もう1つ問題が…!
風速が必要なのです。
しかし風速を計る風速計って特殊な機器なので、用意できません…。
しかし風速計がなくても風速を観測することができるのです。
それが、「風力階級表」です。
まずは小菅村役場前で計測!
週間天気予報で、暑くなると予報のあった8月15日の13時。
日なたにいると、じんわりと汗が出てくる村役場前で計測してみます。
この日は少し風があり、風が強いときは紙片が風で飛ばされました。
表を見てみると、風速は5.5~8.0 m/s。
風力を5.5 m/sで入力してみると…。
体感温度は28.2℃でした!
風があるので、34.8℃という気温より涼しく感じるのですね。
いざ滝で計測。
役場から7kmほど、多摩川の源流部に向かいます。
13:40、小菅村で一番の水量を誇る雄滝(おだき)にやってきました!
約10分の遊歩道を歩いてきたのに暑くはなく、役場前より気温が下がっている事が感じられます。
風と共に水しぶきが飛んできて、一気に体温が下がります!
涼しすぎて、滝の間近に、ずっといられないほどです。
風速は8.0~10.8m/sとなるので、8.0で計算します。
体感温度は17.6℃!!
涼しいとは感じましたが、温度にすると驚きの数字です。
クーラー以上の涼しさです!
ちなみに、この日の東京の体感温度は。
同じ8/15の東京の最高気温は、小菅村より低い33.1℃。
気象庁の情報で計算をしてみます。
出典:気象庁ホームページ
体感温度は、小菅村とあまり変わらない28.9℃(+0.7℃)でした。
アメダスの観測地点は涼しい場所なので、街中はもっと暑かったと考えられますね。
小菅村の涼しさを体感するのは…。
小菅村は日が沈む夕方5時過ぎから、だんだんと涼しくなります。
そして、この日の夜9時の気温は…。
22.8℃まで下がっています。
こんなに涼しくなるんです!
体感温度を計算してみると、18.6℃!
東京の21時の気温は28.6℃で、体感温度は23.3℃。
小菅村と比べると、5℃くらいの違いがあります。
熱帯夜とは無縁の小菅村です。
さいごに
滝で涼んで、クーラーいらずの夜を過ごせば、暑さで疲れた体がリフレッシュすることは間違いなし!
暑ーい夏は、小菅村に避暑をしにおとずれてみませんか?
●今回登場した雄滝についてはこちらの記事でご紹介しています。
青栁やすは
愛知県から小菅村に嫁ぎ、3人の子育てをしています。保育所の体育講師をしながら、小菅村の伝統工芸の「きおび」を使って、作品作りをしています。村に来る前は、環境教育に携わる仕事をしていました。小菅村でのスローライフを研究中。Instagramはこちら