みんなで作ってみんなで食べる 子ども料理教室
2019/11/19 ライター:佐藤葵
小菅村の小中学校の夏休みは少し短め。
それは寒さの厳しい冬休みが長いためです。
夏休みは毎日学校で遊んでいたお友達とも会えず、時間を持て余してしまう期間でもありますよね。
そんな夏休み中の小・中学生を対象に、小菅村で無料で開催されている子ども料理教室についてご紹介したいと思います。
小菅村の子どもたちの夏休みって?
小菅村は1つの村で小学校・中学校が1つずつなので学区は村全体。
友達と遊ぼうにも仲良しが遠いお家だと親の車での送り迎えが必要となる場合もあります。
例えば友達の家まで2kmくらい。
平らな地域なら子どもが自転車で10分くらいでしょうか。
距離的には自転車でも行けるとしても、小菅村の道は坂ばかりなのでかなり厳しい道のりです。
行きは下り坂だから自転車で行ったとしても、帰りは大変なので親に電話して軽トラで迎えに来てもらうなんて事も。
夏休みに開催される、子ども料理教室
そんな小菅村の夏休みですが、小菅村の食生活改善推進員主催で夏休みの期間中に週に1度のペースで小・中学生を対象に料理教室を開催しています。
今年で3年目になります。
希望すれば誰でも参加可能で参加費は無料。
材料費は小菅村教育委員会から出ていて、食生活改善推進員さんも自宅で余っている食材や畑で取れた野菜を持ってくるなどやりくりして行われています。
バランスのとれた食事の大切さを、作りながら学んでもらいたいとの考えです。
食生活改善推進員とは?
食生活改善委員会のHPより。
「わが家の食卓を充実させ、地域の健康づくりを行うこと」から出発した食生活改善推進員は、「食生活を改善する人」を意味します。豊かな感性と知性と経験が一人ひとりの力となり結集され、“私達の健康は私達の手で”をスローガンに、食を通した健康づくりのボランティアとして活動を進めてきました。食生活改善推進員は、会員が現在17万人。全国1,411市町村(H23.4現在)に協議会組織を持って活動をすすめています。
小菅村にも16名の委員が活動しています。
基本的には子どもが作る
当日、時間に子どもたちが集まってくると、挨拶をしてからご飯作りが始まります。
小菅小学校には40名弱の児童が在籍していますが、毎回20名以上の参加があります。
半数の児童が来ている事になります。
高学年には火を使う難しい工程をお願いし、低学年は簡単な野菜切りやデザート作りを担当します。
食材の準備もあるのでメニューは委員の方で決めますが、基本的には子どもが料理を作っていきます。
委員は手順や切り方を説明をし、レシピを張り出します。
出来るだけ手は出さずに見守ります。
見守りながら包丁や道具の扱い方、切り方を教えていきます。
回数を重ねるごとに包丁の扱い方も上手になっていく様子も見られます。
自分の仕事が終わると「なにかやる事ありますか?」と積極的に聞いてきて、こちらの指示が追いつかなくなることもありました。
子どもたちが自分で考えられるようになり、たくましくなりました。
週に1回集まって、お昼ご飯を作ってみんなで食べる楽しさ
源流親子留学を進めている小菅村では、移住家族も増え、祖父母のサポートもない家庭も多いです。
お家の方が仕事で、夏休み中は毎日お弁当の子もいます。
長い夏休み、毎日の昼食作りに悩むお母さんに、週に一度少しお休みしてもらえるというメリットもありました。
子ども達に聞いてみると
「みんなと作って楽しいよ、疲れるけど!」
「面白いよ、みんなと会えるし。」と答えてくれました。
あんなにたくさん作ったスープやおにぎりも、友だちとおしゃべりしながらみんなで食べるとあっという間になくなっていくのです。
食後のデザートを食べるとみんな大満足。
午後も元気に遊べます。
これをきっかけに家庭での食事作りのお手伝いをしてくれるようになればいいなと思っています。
将来、親元を離れ独り立ちした時にこの時の経験が生きて、自炊が出来るようになればとの希望を持って子どもたちと料理教室をしています。
佐藤葵
小菅村に住み始めて10年が過ぎました。 家族と共に小菅村を楽しみながら暮らしています。ここ数年の夏は家庭菜園で野菜作りも始めました。近所の達人に助言していただきながら修行中!