小菅村のハロウィン?!子どもがワクワク楽しみな秋の行事。
2017/10/31 ライター:青栁やすは
秋、小菅村の子どもたちにはワクワク楽しみにしているイベントがあります。
それはハロウィンより一足早くやってくる行事、十五夜(じゅうごや)。
またの名を「中秋の名月」と呼ぶ日です。
なんだか渋いイメージもありますが、子どもたちは、この十五夜が大好き!!
ただお月見をするだけじゃなく、子どもたちがワクワクする、小菅村の夜のイベント。
そんな十五夜を、子どもと一緒にのぞいてみちゃいます。
そもそも十五夜とは、どんな行事?
十五夜とは、旧暦の8月15日。
旧暦の8月は空気が澄みわたり、特に月が明るく美しく見えるので、中秋の名月と呼ばれます。
古くから人は、満ち欠けする月を愛で、お月見を楽しんでいました。
平安時代には貴族が月を見ながら宴を開いていました。
それが庶民の間では、収穫を喜び感謝する日として浸透していったそうです。
丸い満月は豊穣の象徴。
稲穂に似たススキが、神様の目印として飾られ、その神様へのお供え物が、米粉でつくったお団子です。
つまりお月見をしながら、秋の収穫に感謝し、祈る日なんですね。
小菅村の十五夜と、お供え物の今昔
この神様へのお供え物、なんと子どもたちが持っていくことが許されているんです!
これは、全国的に「お月見どろぼう」といわれる風習で、古くから日本各地で行われてきた子どもたちのお月見のイベントのひとつです。
お供え物が無くなった=神様が来て食べたと解釈し、お供え物がなくなった家は縁起がいいとされるそうです。
小菅村でも、昔からこの風習があり、長い時代を経た今でも子どもたちのイベントとして続いています。
90代のお婆ちゃんに十五夜の話を聞くと、
「子どもの時は、友だちと近所を回るのが楽しみだったよ。」
と、昔から行われている行事であることが分かりました。
昔も家の外にススキを飾り、お供え物が出されたそう。
お供え物は、茶碗に盛ったご飯。
一杯のご飯を、子どもたちは同じ箸で回し食いしたそうです。
「何もない時代だったから、ただの白飯だったけど、楽しかったよ。」
70代の方にお供え物の話を聞くと、
茶碗に盛られた五目ご飯、うどん、けんちん汁を回し食いしたそう。
他には、蒸かしたサツマイモやジャガイモ、混ぜご飯のおにぎり、煮物、手作りの団子、ゆで卵など。
その場で食べたり、タッパーに入れて持ち帰ったりしたそう。
今は持ち帰れるよう、お菓子を出す家がほとんどです。
色々な世代に話を聞き、神様へのお供え物と称し、小さな神様が喜ぶように変化しているんですね!
この家は、お菓子以外にもお皿にお団子が置かれていました。
小菅村の十五夜ルール
そんな昔から行われているイベントにも、いくつかのルールがあります。
・参加できるのは子ども。
・自分の住んでいる地区を回る。
・夕方ごろから、回り歩く。
(早く行っても、お供え物が出されていない!)
・1つの家から、1つのお供え物をいただく。
大きな袋が必需品なのですが、歩きやすさを考慮して大きなリュックを背負っています!
だんだんと暗くなるので、懐中電灯・ヘッドライトを準備。
お菓子がほとんどですが、ジュース・バナナ・みかん・ゆで卵・カップ麺もありました。
子どもが色々な家を回って、お菓子がもらえるなんて、ハロウィンのような行事ですね!
子どもが喜ぶように、と考えて準備していると考えると、なんだかほっこりします。
この日はあいにくの曇り空。
地区によっては十三夜(今年は11/1)も同じように行われます。
十五夜に次いで美しい月と言われる日なので、お月見できるといいですね。
青栁やすは
愛知県から小菅村に嫁ぎ、3人の子育てをしています。保育所の体育講師をしながら、小菅村の伝統工芸の「きおび」を使って、作品作りをしています。村に来る前は、環境教育に携わる仕事をしていました。小菅村でのスローライフを研究中。Instagramはこちら