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山を守り、道をつくる。やりがいにあふれた林業の世界 舩木造林/舩木秀さん

2023/10/13 ライター:松井みほ子

豊かな自然あふれる小菅村は、急峻な山々に囲まれた地域です。

村から眺めることができる美しい山のある風景、そして東京の水道水の水源地でもある多摩川源流を、林業を通して守っているのが「舩木造林」です。

現在「舩木造林」では、将来を担う正社員を募集しています。

山が好き、人が好きなら未経験でもできるといいますが、まずはどんな仕事なのか、知らなければ飛び込めません。

今回は、舩木秀さんに、どのような仕事をしているのか、お聞きしました。

 

木を切ることで

山を美しく育てていく

 

――日ごろどういったお仕事をされているのかを教えて下さい。

 

私たちは、小菅村の隣村にある丹波山(たばやま)村で、山林の整備や保護育成を中心に多摩川の水源地を守る仕事をしています。

冬は木の間伐を行い、良い木を育てるのはもちろん、夏は山道整備と言って、自分たちが作業をするための道や登山道の整備をしています。

※間伐…森林の成長に応じて樹木を伐採し、木の密度を調整する作業のこと。間伐を行うと、光が地表に届くようになり、樹木が健全に成長します

 

多くの場合は、東京の水道局からの依頼で仕事をしています。

明るい時間にしか作業ができないので、午前7時半頃から山に入って、大体現場に着くのが8時から8時半ごろ。

作業が終わるのが遅くても午後3時半ごろですね。

 


整備をする前後の写真。整備後、明らかに美しくなり道ができている


――このお仕事を選んだ理由を教えてください。

 

もともと、父が知人から譲り受けるかたちで会社を興しました。

ただ、私自身は看護学校に通っていたんですね。

でも、夏休みにこちらに帰って、仕事を手伝ってみると道を整備するのが楽しくて。

もちろん看護の仕事につきたい気持ちもあって迷いましたが最終的にはこの仕事を選びました。

倒木を片づけたり、道を整備したりして、やったらやった分だけ、見た目にもわかりやすく荒れた山が綺麗になっていくのが魅力に感じたんですね。

 

――お仕事する上で心がけてることを教えてください。

 

からだが資本なので、ケガをしないことです。

自分だけじゃなくて、従業員のみなさんがケガをしないようにというのは一番気をつけています。

安全のために、チェーンソーを扱う際には、当たり前ですが規定を順守して服装など危険が伴わないよう注意しています。

あとは、社長でも誰でも、 自分の意見を言える環境にしていたいと思っていますね。

木を倒すとなると、声をかけ合わないと危険です。

だからこそ、日ごろからのコミュニケーションが大事なんです。


チェーンソーを使って木を切るようす


やった分だけ形になる

成果が目に見える面白さ

 

――どういう時にやりがいを感じますか。

 

木を切って山がどんどん整っていくというのはもちろんですが、道を作って出来上がった時の喜びはひとしおです。

それも作業の規模が大きいほど、大変な分やりがいを感じられますね。

例えば、つくる道が10mなら作業は3日程度ですが、1キロだと1ヶ月程度はかかりますから、期間も長くなるので、「やりきったな」っていう想いはその分強くなります。

 

――これまでで印象に残ってるお仕事は何かありますか。

 

小規模な土砂崩れがおきた場所を復旧するために、斜面に石垣のようなものを作ることがあるんですね。

基本的には山の中までセメントなどは持っていけないので、山で大きな石を探して一輪車や背負子(しょいこ)を使って運んで、ひとつずつ積み上げていきます。

それを5段ほど積み上げて、完成したときには見渡しながら「これを全部やったんだ!」と思うとすごく達成感がありました。

それはとても印象に残っていますね。


石を背負って歩くための背負子(しょいこ)。三角になった木枠のうえに石をのせる


――お仕事をやってみたい未経験の方も多いと思いますが、まず何から始めるのがよいでしょうか。

 

まず、入社の前に、弊社では体験に来ていただくようにしています。

林業はやってみないとわからないことばかりだと思うので、現在のお仕事を辞めずに、来られるタイミングで来ていただきます。

そこで一緒に山に行っていただいて、簡単な片付けなどをお手伝いしていただきます。

バラバラの日程でも構わないので2週間程度通っていただけたら、だいたいどんなお仕事か理解していただけるかなと思います。

都内から通う方もいますが、長期滞在の場合は、宿の手配もできますよ。

 

入社された場合、木を切るにはチェーンソーが必須ですが、免許が必要です。

それは3日程度で取得ができますし、こちらもサポートします。

1、2か月は、体力作りということで、片付けなど手伝いの作業を中心に考えています。

最初はもちろん大変なこともあるかもしれませんが、意外と続けていくと、からだが慣れてきます。

そこから少しずつ作業を覚えていただいて、木を切る、 倒すなどひと通りの作業ができるようになるのは2、3年ですね。

 

――どういった方に来てほしいですか

 

最低限1時間ぐらいは山を歩ける人の方が安心ですが、今は林業用のモノレールもあり、現場に向かうのはずいぶん楽になっています。

実際に作業をする際は、木を切ることがメインになるので意外と足に自信がない方でも平気なんですよね。

年齢も、もちろん若い方だけではなく、50歳からこの業界に入って活躍している方もいるので、あまり気にせず、まずは一度ご連絡ください!

 

――お仕事で今後の展望を教えてください。

 

父の後を継ぐので、お客様から注文されたイメージに合わせた作業の組み立てやスケジュール調整など、全体の指示をできるようになっていかなければいけないと思っています。

また、若者や同年代の人が増えて、この先も仕事が継続してできればなとは思っています。

 

――小菅村の良いところはどこでしょうか。

 

何か「これ」といった特別なものがあるわけではないのですが、やっぱり人のよさや、人同士のつながりでしょうか。

仕事でも、小菅村はみんなが知り合いなので上下関係なくお互いの意見を言い合えます。

 

 

こんなお仕事です!

 

・村周辺の山を整備

・間伐などをしながら木を育てる

・山歩きのための道をつくる

 

 

こんな人待ってます!

 

・山に興味のある人 、体力のある人は大歓迎

・現場までは作業用のモノレールが用意されていることも多いので山歩きは1時間くらいできれば大丈夫

・未経験でももちろんOK。チェーンソーの免許取得もサポートします 未経験でも全然募集はしてます。

 

舩木さんからのメッセージ

 

未経験の方、林業をやってみたい方、大歓迎ですので気兼ねなく来てください!

現在の仕事をしながら、無理のない範囲での体験ができますので、安心してまずは声をかけてくださいね。


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    松井みほ子

    出版社や編集プロダクションにてファッション、フード、アニメなどなど幅広いジャンルで、雑誌やWEBの制作をしていました。

    現在はフリーランスで編集・ライターとして活動。小菅村の温泉とビール大好きです!