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これが夏のライフワーク!祭りがなければ夏は始まらない!

2017/08/03 ライター:ベイタロー

 

 

今年も夏本番がやってきた。

夏といえば、海・川・バーベキューなどと言ったレジャーや、夏フェスや花火大会と言ったイベントが盛りだくさん。

中でも、日本の夏に欠かせないものと言ったら「祭り」だ。


祭りの楽しさと言ったら屋台。屋台の匂いを嗅ぐとお祭りに来た感じがする。


夏祭りの楽しみといえば、かき氷、焼きそば、たこ焼き、綿あめなどの屋台の食べ物だ。

屋台を歩きまわるだけでわくわくする。

祭りでどんなもの食べようかと考えるだけで楽しみではないだろうか。

 

しかし、祭りって一体何の為のイベントなんだろうか?

祭りは「屋台の祭典」だと思っている人も多いかもしれないが、祭りで屋台しか楽しまないのは、大きな損をしていると思う。

 

祭りは、それを楽しむ観客と、楽しませようと思う演者が一体となって盛り上げることに最大に魅力がある。

地元に祭りがない、祭りはあったが演者がどんな想いで行っていたかは分からないという人も多いと思う。

しかし、祭りを楽しむ人の裏側で、それを支える演者がいることも知ることで、祭りはより楽しく、思い入れの深いものになるのではないだろうか。

 

今回は、訪れる観客に心から祭りを楽しんでほしい、また自分たちも、参加することで心から楽しみたいと思う演者側の視点から、祭りの様子を伝えていきたい。

 

 

祭りとはどんなイベント?

 

そもそも、「祭り」とはどんなイベントなのだろうか。

日本各地には様々な祭りがある。

昔、昔、農山村の人々は疫病や天災などの災害を何かの祟りではないかと恐れていた。

そこで悪霊退散や神へのお祈りを込めて獅子舞を奉納するようになったのが、祭りの始まりとされている。

 

山梨県小菅村の三ケ村という地区にも祭りがある。

三ケ村とは、村内にある「川久保」「池之尻」「田元」という3つの地区を総称した名前だ。

 

この祭りでは、昼に獅子舞を踊り、夜に寸劇が行われる。

獅子舞というと、正月に地域を練り歩くものを思い浮かべる人が多いと思うが、三ケ村の獅子舞は全く別物である。


小菅村の獅子舞はどの演目も獅子が3体登場する。

現在は12演目あるうちの4演目を奉納している。


三ケ村の獅子舞は伊勢神宮から甲斐の国(現在の山梨県)に伝わったとされている。

三ケ村の祭典では現在7か所で獅子舞を奉納しており、獅子頭3、大太鼓1、笛3の組み合わせで、お囃子に合わせて獅子が舞う。

演者はすべて村の人が担っており、代々この祭りを守ってきた。

 

 

村人総出の小菅村の祭り

 

小菅村の人口は約740人(2017年8月時点)。

さらに三ケ村地区の人口は約230人だ。

村の人によると、地区のほぼ全員が何らかの形で祭りに関わっているという人もおり、祭りにかける意気込みが伝わってくる。

さらに、三ケ村では祭りの前になると、何週間も前から練習し、夜遅くまで祭りの準備もする。


獅子舞を卒業した先輩たちもいても立ってもいらないのか指導に熱が入る。

練習中はみんな総立ちで練習を見守る。


では、準備・出演のすべてをこなし、祭りに多大な労力をかける演者側の楽しみとは何だろうか。

今回は、実際に三ケ村の祭りに関わるメンバーに話を聞いてみた。

 

 

演者にとっての祭りとは?

 

①    祭りの楽しみは?

【青栁万寿男さん】

本番当日の獅子舞の奉納で、獅子舞と太鼓と笛が一体となったとき。

炎天下の中、7か所も回るとみんなクタクタで疲れてくるんだが、回を重なる度に獅子舞と笛と太鼓のリズム・動きが重なる。

やりきった感、満足感はやめられない!

 

この瞬間を味わいたくて祖父も親父もやってきたのかなって思う。

【亀井雄次さん】 

みんなでお祭りに向かって一つのことに集中していく様が好き。

練習も含めてお祭り!

 

練習をサボって海に遊びに行った際に、メンバーに叱られた。

叱られる程一生懸命なイベントなら、一生懸命やろうと思った。

【古菅良さん】

「ぶっ揃い」という祭り本番の前日に衣装合わせをしてのリハーサルがあるのだが、毎晩の練習と明日が本番という緊張感の中で、みんなの気持ちの高ぶりを感じる時。

当日はみんな壊れます。

三ケ村の獅子舞はしゃがんで立っての屈伸運動を繰り返すのが、見どころ!

なので、頑張れば頑張る程、膝ががくがくするので、その頑張ってる様を冷静に見るのが好き。

 

②    祭りの大変さは?

【青栁万寿男さん】

若い頃は海にも行きたかったし、夏には同年代の若い子たちがいる場所で遊びたかった。

なんでこんなことを毎晩遅くまでやらなきゃならないんだろうと思った。

 

しかし、お祭りの満足感を知って今じゃやめられない。

お祭りのある地区に生まれて、小菅村で育って良かったと思ってる。

【亀井雄次さん】 

昔は土日がお祭りの練習だった。

(おそらく) 同世代の若者が遊んでるときに練習をしなきゃいけないことが嫌だった。

 

夜は箭弓神社で三ケ村青年による現代寸劇が行われる。

その寸劇のシナリオを任されるようになってから、自分が描いたシナリオでお客さんが喜んでいるのをみて楽しくなってきた。

今は自分の夏のライフスタイルになっている。

【古菅良さん】

三ケ村の祭典全体の準備等を行う役目である「大世話人」はお祭りの段取りをすべて取り仕切るので、その役目が大変だった。

「村人」だからこその一体感が魅力!

 

三ケ村では、村で生まれ育った人も移住してきた人も関係なくその地区に暮らしていれば演者として祭りに参加することができる。

もちろん、演者として祭りに参加する以上は毎晩遅くまで行われる練習への参加は必須である。

獅子舞の練習で足腰が痛くなることもあるだろうし、大変なことの方が多いかもしれない。

しかし、それでもみんな祭りに参加するのである。

 

それはなぜか。

今回の取材を通して「祭り」に対するモチベーションがどこにあるか分かったような気がする。

 

ひとつは、3体の獅子の動きが揃ったときの気持ちよさ。

バラバラだった3体の獅子の動きが、練習を重ねる度にお囃子とリズムが合い、「獅子舞」として揃っていく心地よさは何物にも代えがたい達成感があるのかもしれない。


練習が進むにつれて獅子頭をつけての練習に入ります。


もうひとつは、普段仕事やプライベートでは会わない人たちが集まり、「祭り」という同じ目的の為に一丸になって一生懸命になるという一体感を味わうことにあるのかもしれない。


毎晩のように行われる練習は辛いけど、一体感が生まれるのは間違いなし!


こういった心地よさや一体感は学生の文化祭に似ていると思う。

普段、口を交わさない男女でも、文化祭の際にはクラス一丸となり、それがきっかけで恋に発展したりする。

それほど、みんなで一丸となって一つのことに向かって一生懸命になるということは人と人を親密にさせるものなのかもしれない。

 

ここに、小菅村の一体感のルーツを見つけた気がした。

それぞれの想いが詰まった祭りに是非遊びにきて、観客・演者が一体となる楽しさを味わってほしい。

 

 

【お祭り情報】

 

■三ケ村祭典

日程 8月第一土曜日

場所 小菅村川池・田元地区・箭弓神社

時間 昼の部13:00頃~(宮廻り)

   夜の部18:30頃~(獅子舞、ビンゴ大会・現代寸劇など)

 

小菅村に3つある伝承芸能において、最も古い歴史を持つといわれ、かつて伊勢神宮より甲斐の国に伝わったのが、ここの獅子舞であるとされている。

 

■橋立八幡神社祭典

日程 8月第二土曜日

場所 小菅村橋立地区・八幡神社

時間 昼の部13:00頃~(宮廻り)

   夜の部19:00頃~(橋立神代神楽、子ども余興など)

 

250年以上前から続く橋立神代神楽。

 

小永田熊野神社祭典

日時:9月第一土曜日

場所:熊野神社

時間 昼の部14:00頃~(宮廻り)

   夜の部18:30頃~(小永田神代神楽)

 

小菅村の伝承芸能の一つで村の無形民俗文化財に指定されている「小永田神代神楽」を奉納。

 

 


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ベイタロー

小菅村の地域おこし協力隊OBです。4年間小菅村で活動した後、地元の茨城県に戻りました。現在は小菅村のファンとして、月に1回のペースで村に通い、行事などにも参加しています。

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