ライターレポート|小菅村の『働く・遊ぶ・暮らす』をちょっとずつ体験! 「1/2村民限定! 小菅村副業体験ツアー」―1日目お仕事体験編―
2024/02/05 ライター:松井みほ子
こんにちは、新参者1/2村民の松井みほ子です。
2023年11月25日(土)・26日(日)の2日間、「1/2村民限定! 小菅村副業体験ツアー」が開催されました。
以前、小菅村のお仕事紹介記事を書き、すっかり小菅村のファンになった私もツアーの一員として参加しました。
その様子をレポートでお届けします。
このツアーは、村内の仕事の担い⼿が減っている中で、村外のサポーターが村の仕事を支える仕組みを模索するため行われたものでした。
1日目は5カ所ある職場から、廣瀬屋旅館を選んで職場体験。
ツアー自体も初めての試みということで、どんなものかという期待とちょっとした緊張感も持ちながら参加しました。
「1/2村民限定! 小菅村副業体験ツアー」1日目がスタート
1日目は以下のようなスケジュールでした。
09:30 ⼤⽉駅集合 10:20 開会式 11:00 廣瀬屋、チャーちゃん饅頭 勤務開始(途中休憩あり) 13:00 ⼩菅養⿂場、道の駅こすげ物産館、株式会社源事業ディレクション部勤務開始 17:00 勤務終了、スタッフお迎え 18:00 ⼩菅の湯 宿泊場所(廣瀬屋)到着 18:30 懇親会 20:00 解散 |
まず小菅村へのアクセスについて。
私自身は、神奈川県川崎市在住です。
普段、車を運転しないので、前回は同行する知人の車に乗せてもらいました。
しかし今回は1人での参加。
どうしよう…と思っていましたが、大月駅での待ち合わせということで、ひと安心。
大月駅まで、私の最寄駅からは1時間半で到着。
大月駅はJR新宿駅から中央本線 特急「かいじ」「あずさ」で約1時間、中央本線 普通列車で約1時間半とアクセスがしやすいので、私のように車がない、という方も安心です。
今回の参加者は5名で、駅に集合したのは私含め2名。
残りの皆さんは車やバイクで直接小菅村に来ていました。
全員がそろい小菅の湯館内で開会式が行われました。
と言っても、そんなに大げさなものではなく、名前や今回の目標など簡単な自己紹介をしました。
参加者は、私のようにまだまだ小菅村のことを知らない人や、よくバイクで訪れている人、漁協のホームページを作るほど深く関わりがある人など、村民度合(?)も様々。
「小菅村」という共通項があるだけで、初対面でもなごやかに打ち解けられました。
村の穏やかな空気がそうさせるのかもしれません。
気づきがたくさんあった「廣瀬屋旅館」での職場体験
自己紹介が終わったところで、それぞれが事前に決まった職場へと向かいます。
それも車で送ってもらえるので、安心です。
今回の、受け入れ先は5か所。
チャーちゃん饅頭:お饅頭製造場所でお饅頭包みと販売等の⼿伝い 廣瀬屋旅館:昼⾷の提供、客室の準備、⼣飯の準備⼿伝い ⼩菅養⿂場:養⿂場の清掃等 株式会社源 物産館 物販フロアの品出し、商品棚づくり等 株式会社源 事業ディレクション部:イベント企画の検討など |
その中で私がお世話になるのは「廣瀬屋旅館」。
宿泊施設で働いたことはなかったので、何をするのかあまり想像もできないまま、お手伝いへ。
「廣瀬屋旅館」の創業は、昭和25年(1950年)。
もともとは晴彦さんの祖母の代に、登山客に向けて蕎麦やうどんを売る売店から始まり「ドライブイン」として食堂をはじめ、その後客層の変化に合わせて「廣瀬屋旅館」となったそうです。
現在は、晴彦さんを中心に、母・幸子さん、父・和章さんとともに旅館を営んでいます。
グランドピアノがあり夏は音楽関係の学生の合宿場としても利用されています。
観光客だけではなく平日のランチ時には近くのビール工場・Far Yeast Brewing(ファーイーストブルーイング)の社員でにぎわうほか、遠方から働きに来ている学校の先生への食事の提供も行っています。
廣瀬屋旅館は、村の人にとっては憩いの食堂のような存在でもある場所です。
最近ではFar Yeast Brewingのクラフトビールや山梨県産ワイン、日本酒を多数取りそろえた販売所、「廣瀬屋酒販」の営業も開始しました。
ビール好きの私としては、このずらっと並んだビールを見るだけでも、テンションがあがってしまいました。
(もちろん、これからお手伝いをするので、飲みたい気持ちはこらえました!)
そんな場所で私が最初に与えられた仕事は、お客様を迎えるためのお部屋の準備。
晴彦さんからは「自分がホテルに行ったときになぜ心地よいのかを考えて行動すれば良いんですよ」という心構えを教えてもらいました。
これまで何度もホテルや旅館に泊まってきましたが、そんな風には考えたことはなかった私。
布団を敷くときは北枕を気にする人もいるかもしれないので、なるべく避けること、そして窓際は寒くなるので、少し離したほうが良いこと。
座布団の位置はテレビの前に…などなど晴彦さんから教えてもらった、一つひとつが驚きと感動の連続でした。
一通り手順を教わったところで、「じゃあ枕カバーつけてください」と枕を渡されました。
「枕がカバーにきれいに収まっていればOKでしょう」と思って、カバーに枕を押し込んだのですが、それは大間違い。
「まずタグが当たらないように織り込んで、首にカバーの縫い目があたると気持ちが悪いかもしれないから、縫い目を上に、部屋に入ったときにお客様からきれいに見える部分をドア側にするといいですよ」と。
もうホスピタリティ精神の権化としか言えない晴彦さん。
言われた通りやってみると、本当にきれいに布団が整い、とても気持ちがいい!
細やかな気遣いから、居心地のよさが生まれているのだと改めて気づきました。
手作りにこだわる「廣瀬屋旅館」のおいしい思い出
次はランチの準備…となりましたが、週末はいつもそれほど混まないそう。
この日も落ち着いていたので、お客様のお皿を下げたところで私もランチをいただきました。
メニューは「よちよちヤマメの唐揚げ」。
かつてB級グルメの大会で準グランプリを獲得したことがあるそうで、ヤマメの唐揚げをおろしワサビを加えたタルタルソースにつけて食べるもの。
12~13cmの幼魚のことを村では「よちよちヤマメ」と呼ぶのだそう。
実は私はワサビが苦手なのですが、小菅村のワサビはチューブのワサビにある嫌なクセが全くなく、むしろおいしく残さずいただきました!
午後は夜の私たちの懇親会に向けて、夕食の準備。
テーブルを整えたり、座椅子を運んだり、お皿やお箸をセッティングなどなど…。
小規模の準備でも大変で、これが大宴会だとどれほど大変なのかなあと想像しつつお手伝い。
「できるものはすべて手作りする」という廣瀬屋旅館には、毎日近隣から採れたてのやさいがたくさん届きます。
それを煮物やお漬物に、またできるものは冷凍保存などに加工して、食品ロスが出ないような工夫もしているということ。
この日はたくさんのハクサイやサトイモが届いていましたが、そのなかで私はサトイモの皮むきを担当。
最初は生のサトイモを皮むき器でむいていましたが、私が苦戦していたからか、晴彦さんがふかしてくれたので、ツルっと気持ちよくむけるようになりました。
そこからは無心でサトイモをむき!
1つそのままいただきましたが、これがもう甘くて、ねっとりしておいしかった!
後半は食べ物に囲まれて、おいしい思いもしつつ17時となりあっという間にお手伝いの時間は終了しました。
参加者同士で懇親会
仕事を終えた人はそれぞれ、小菅の湯へ。
5人のうち1人は日帰りのため帰宅しましたが、そうやって都合にあわせて体験ができるのもいいなと感じました。
温泉で疲れを癒し、あたたまったみんなは、廣瀬屋旅館へ。
(私が)待ちに待った乾杯です!
夕飯もとっても豪華。
小菅村で育った富士の介のお刺身や、ヤマメの塩焼き、きのこ鍋などなど。
それぞれの感想をお聞きしたところ、みなさん口をそろえて「楽しかった」「もっと仕事を手伝いたかった」と、前向きな感想ばかり。
充実した一日を過ごしたからか、晴れやかな顔で話してくれました。
みなさんと語り合い、その日の夜は、「廣瀬屋旅館」に宿泊となりました。
2日目は奈良倉山の登山を通して、小菅村について知るプログラムが待っています。
そちらは次の記事でお届けします。
▼後編:「1/2村民限定! 小菅村副業体験ツアー」2日目のレポートはこちら
ライターレポート|小菅村の『働く・遊ぶ・暮らす』をちょっとずつ体験! 「1/2村民限定! 小菅村副業体験ツアー」―2日目 登山で知る小菅村験編―
▼廣瀬屋旅館のお仕事は、こちらの記事でも紹介しています
小菅村の暮らしと共に生き、小菅村を伝えるお宿で働く 廣瀬屋旅館/廣瀬晴彦さん
●廣瀬屋旅館
松井みほ子
出版社や編集プロダクションにてファッション、フード、アニメなどなど幅広いジャンルで、雑誌やWEBの制作をしていました。
現在はフリーランスで編集・ライターとして活動。小菅村の温泉とビール大好きです!