みんなで干し柿を作って、村の獣害被害の対策に|干し柿作りボランティア2025 開催レポート
2025/12/16 ライター:青栁やすは
2025年11月29日(土)、小菅村で「干し柿作りボランティア2025」が開催されました。
主催はこすげ村人ポイントカード事務局。
小菅村によく訪れる、また村との関わりを深めたい、こすげ村人ポイントカード会員を対象にしたイベントで、今年で5回目の開催となりました。
そんな干し柿作りボランティアの様子を、写真を交えてご紹介します。
干し柿作りは、参加者の方が大活躍!
今回は、小菅村外に住む「1/2こすげ村人」13名の参加者が、会場となる小菅村中央公民館に集まりました。
(小菅村が好きな人は半分こすげ村人という意味で、1/2こすげ村人と呼んでいます。)
中には第1回目から参加し続けている方や、何度も参加している方もいて、年々深まるイベントへの思いと、村とのつながりが感じられました。
集合後、作業の流れを聞いたあとは、まずは渋柿の皮むきをします。
経験豊富な参加者はどんどん手を動かし、初参加の方にお手本を見せてくれます。
わいわいと作業を進め、初めての方も徐々になじみ、あたたかい空気が流れていました。
単調な作業ですが、村人も1/2こすげ村人も一緒になってわいわいと話しながら手を動かします。
ベテラン参加者は自主的に動き、皮むき・紐付けの作業は連携プレーでスムーズに進みました。
目標としていた12コンテナの渋柿は、これまでの5回の中で最もスピーディに完成しました!
干し柿作り参加者の声
今回の干し柿作りボランティアには、初参加の方から何度も足を運んでいる常連さんまで、さまざまな人が集まりました。
作業を通して会話をしたり、笑顔で手を動かす姿が印象的で、小菅村ならではの温かい空気を感じられました。
そんな参加者の方の声を一部紹介します。
・柿を剥くのも初めての、初参加でした。
小菅村を通じて、ベテランの方から初めての方、また年齢関係なく様々な人が集う場所があることがとても素晴らしいと思いました。
人見知りですが、皆さんとても明るく温かくすごく心地よい空気感でした!
・休憩の際の小菅村5大ニュースの発表、梅ジュース、干し柿が出てきたのはとても嬉しく、美味しかったです。
・楽しく作業できるあの空間はとても大好きです。
何度も参加してるメンバーや初めての人たち、地元の人達と作業することでリフレッシュできる時間になりました。
・都会にいるとできない農家の作業の一端を体験できてありがたく、また来たいと思えるひとときでした。
・さらに小菅村のことが好きになりました。
来年は梅採りボランティアにも参加したいと思いました。
・もっと沢山作りたかったです。
高齢化と獣害が進む小菅村を手助けする、干し柿作り
小菅村では高齢化が進んでおり、渋柿が収穫できず、木に柿がなったままという光景があちこちで見られます。
さらに、深刻化しているのが獣害。
山にエサが減る11〜12月は、猿や熊、ハクビシン、アナグマといった野生動物が里に下りてきて、渋柿を食べ荒らすことも。
放置された柿の木は、野生動物にとって格好の餌場となってしまうのです。
そんな現状を受けて、毎年渋柿の収穫を色々な村人から引き受け、干し柿作りを行っているのが、小菅村在住の猟師、青栁博樹さんです。
渋柿の収穫は一つひとつ手作業で、時間も体力も必要な上、木に登るのは危険を伴う作業となります。
もちろん干し柿作りも一つひとつ手作業で、手間がかかる作業です。
なので干し柿作りを手伝ってもらえると、干し柿作りが一気に進みます。
こうして渋柿が無駄なく干し柿になっています。
干し柿ができるまでの1か月半
吊るした干し柿は、約1か月半ほど乾燥させます。
吊るしたまま、と言っても放っておけるわけではありません。
乾燥の進み具合を見ながら、柿を一つひとつ手で揉んで内部の水分を均等にし、甘みを引き出していきます。
もちろん猿やハクビシンなどの獣が干し柿を狙ってくるので、見回りも欠かせません。
ようやく完成した干し柿は、道の駅こすげで販売され、村の特産品としても愛されています。
1/2こすげ村人の力が、小菅村の未来を助ける
今回のボランティアイベントは、小菅村が抱える人手不足、獣害被害の課題にも応えるものです。
こすげ村人ポイントカード会員の皆さんが、こうしたボランティアに足を運び、手を貸してくれることが、村の営みを支える大きな力になっています。
小菅村では干し柿ボランティア以外にも、梅採りや登山道の見回りといったボランティア活動を毎年実施しています。
小菅村を手助けし、村人と関わる。
そんな関わり方が、この村にはあります。
都会の暮らしでは味わえない、丁寧な手しごとや、人と自然のつながり。
このあたたかな輪が、これからの小菅村を少しずつ、でも確かに支えてくれるのだと感じました。
▼小菅村でのボランティアに興味がある方は、こすげ村人ポイントカードに会員登録の上(発行・年会費無料)、ぜひボランティア企画に参加してみてください!
こすげ村人ポイントカードとは?

青栁やすは
愛知県から小菅村に嫁ぎ、3人の子育てをしています。保育所の体育講師をしながら、小菅村の伝統工芸の「きおび」を使って、作品作りをしています。村に来る前は、環境教育に携わる仕事をしていました。小菅村でのスローライフを研究中。Instagramはこちら


















