新緑のGWに、のほほんとお神楽を見に行こう。
2018/05/03 ライター:青栁やすは
小菅村のゴールデンウィークは、お祭りづくし!
5月4日の多摩源流まつりは、小菅村の一大イベントですが、前後の日もお祭りがあるんです。
多摩源流まつりとは、こちらの記事で紹介しています。
●日本一も体験出来る!多摩源流まつりを100%楽しむ5つのポイント
https://ko-kosuge.jp/event_kosuge/261/
●並んででも食べてみたい、小菅村の郷土食!多摩源流まつりの魅力。
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源流祭りの前日、5月3日には長作地区にあり、安産祈願のご利益があると言われる長作観音堂で縁日が行われます。
縁日と聞くと出店が並ぶイメージがありますが、こちらの縁日は少し違います。
観音堂の開帳、ステージでは歌謡ショーやバルーンショー、ビンゴ大会などが行われます。
そして、もう1つのお祭りが、源流祭り翌日の5月5日に行われる「小永田浅間神社祭典」です。
このお祭りでは、山の中腹にある浅間神社に、お神楽(かぐら)が奉納されます。
「小永田神代神楽(こながたじんだいかぐら)」と呼ばれるお神楽は、無形文化財に指定されています。
無形文化財や、お神楽と聞くと、敷居が高く感じられるかもしれませんが、観客の笑いが起こったり、声援が飛んだりします。
地域の方はお弁当を食べながら…と、何とものほほんとした雰囲気。
いい雰囲気と、春のぽかぽかいい気候の中で行われるお神楽。
そんな一見の価値ある小永田浅間神社祭典は、誰でも自由に見ることができるので、ぜひ見に行ってみませんか?
どこで、いつ、見られるの?
浅間神社祭典の会場の「浅間神社」
祭典の会場となる「浅間(せんげん)神社」は、松姫峠の中腹にあります。
旧139号線沿いにありますが、神社の看板はありません。
電波も届きません。
お祭りの日だけに立てられる、青色の旗だけが目印となります。
この青色の旗を抜けて砂利道を進むと、車が停められる広いスペースがあり、その奥に小さな社(やしろ)が見えてきます。
この神社が舞台となり、11時くらいから(お客さんの集まりを見て)ボチボチ始まります。
午前中に2幕行い、お昼休憩を挟んでもう1幕行われます。
13:30くらいまでかかるので、お弁当を持って行くのもいいですね。
新緑の森をバックに、春のポカポカ陽気が気持ちいい神社です。
ちなみに村の方々は、写真の後ろの木陰でお弁当を広げて見ています。
お祭りでは、まず花を渡す?!
小菅村で行われる他の地区のお祭りでもそうですが、花場(はなば)と呼ばれる、受付け的な場所があります。
お祭りの関係者に感謝の気持ちとして、ぜひ「花代(はなだい)」を渡しましょう。
花を出さなければお祭りを見られないというわけではありませんが、神社のお賽銭のような感覚で、気持ちを渡します。
1,000~3,000円くらいを目安に、のし袋に入れて受付で渡します。
のし袋の用意がなくて、裸でお金を渡しても失礼にはなりません。
楽しませてもらいます、という気持ちが大切だそう。
ちなみに、かつての養蚕に関係したお札も販売しているそうですので、興味のある方は受付の人に聞いてみてくださいね。
そもそもお神楽って何?
お神楽とは神様に奉納される、舞いや歌です。
その中で古事記や日本書紀といった神話を題材とする神楽が、「神代神楽(じんだいかぐら)」と呼ばれます。
小永田神代神楽は、江戸時代より始まった比較的に新しいお神楽で、芝居・歌舞伎と結びついていて、演劇性が高いのが特徴です。
ストーリー性があるので、年齢を問わずに楽しむことができます。
他のお神楽には見られない、小永田地区にしかないめずらしい演目もあります。
神楽の見どころ、その1。
なんと言っても舞台が近いのが、浅間神社祭典の魅力!
小永田神代神楽の特徴の1つが、台詞があることです。
音響設備がないのですが、近くでしっかりと聞くことができます。
ちなみに秋に行われる熊野神社祭典では、舞台が高く、お客さんも多いので、しっかり台詞を聞くのは大変なのです。
観客からも声援が飛び、お神楽を盛り上げます。
「〇〇ちゃん頑張れー!」「しっかりー!」
つかみ合いの場面には、大人が本気のつかみ合いをして、「うっ!」と声がもれたり、息づかいが聞こえたりして笑いがおこります。
舞台の上では、役者の動きに合わせて、笛と太鼓が演奏され、お神楽を盛り上げます。
真面目な場面から、おちゃらけた場面までが笛と太鼓だけで表現されるのも、驚きです。
役者とのかけ合いが、お神楽の面白さを引き立てています。
神楽の見どころ、その2。
小永田神代神楽にしかないめずらしい演目が、「鬼退治(おにたいじ)」です。
お神楽の演目は神話を題材としているのですが、鬼退治は題材となる神話がないそうです。
動きがコミカルで、どこか憎めないキャラクターの4人の鬼が出てくる演目は、ぜひここで見てもらいたいお神楽です。
さいごに
代々受け継がれ、保存されてきた小永田神代神楽。
昔は若い衆(わけぇーし)だけで舞っていたそうですが、近年では60代でもまだまだ現役です。
こうした人たちが中心となって後継者を育成し、現在まで保存されてきたのです。
お神楽は、古来より氏神さまへ畏敬や感謝を込めた祈りの表しとして。
そして村人が楽しむ娯楽として。
くらしと共に受け継がれてきました。
そんなお神楽をぜひ見て楽しんでみませんか。
青栁やすは
愛知県から小菅村に嫁ぎ、3人の子育てをしています。保育所の体育講師をしながら、小菅村の伝統工芸の「きおび」を使って、作品作りをしています。村に来る前は、環境教育に携わる仕事をしていました。小菅村でのスローライフを研究中。Instagramはこちら