意外とかんたん、意外とおいしい!雑穀の使い方。
2018/12/13 ライター:青栁やすは
雑穀って知っていますか?
アワ・ヒエと聞くと、お米が貴重だった昔に食べられていたものでしょ?とか、
十五穀米を食べたことがある。
という方は多いのではないでしょうか?
十五穀米とは、麦や豆類の他にキビ、アワ、キヌアなど、数種類の穀物が混ぜ合わせてあるもの。
メーカーによって、入っているものや数が違います。
ご飯と一緒に炊いて簡単に食べられ、栄養価も高いので、ここ数年でよく見かけるようになりました。
でも、雑穀単品の味まで知っている方は少ないのではないでしょうか?
昔から、急斜面で水はけの良い小菅村の畑でもよく育てられている、雑穀。
そんな雑穀を使った料理をご紹介します。
きびを使ったホワイトソース
雑穀と言うと、アワ・ヒエと並んでよく挙げられる「キビ」。
桃太郎の昔話に出てくる「きび団子」は、雑穀のキビです。
お米と一緒でモチキビ、ウルチキビがあり、モチキビはつくとお餅のようになり、きび団子になります。
とても小さいので、すぐに火が通り、簡単に調理できます。
そして料理に入れると、とろみが出ます。
そのとろみを利用して、小麦粉を使わないで簡単にホワイトソース風のソースができます。
玉ねぎを炒め、じゃがいも・きび・牛乳・塩を加えて煮ただけの、簡単きびホワイトソース 。
パスタとあえたり、グラタン・ドリア・ピザなどにアレンジできます。
お米と同じようにきびを洗う手間はかかりますが、小麦粉がダマにならないようにしっかり炒めて…という手間は必要ありません。
お米のように、きび自体にもほんのりとした甘みとコクがあるので、野菜ときびと塩だけのやさしい味でいただくのがおススメです。
また、きびの黄色が彩りをそえてくれるだけでなく、もちっとした食感や、水分を吸ってくれるなど、色々な活躍をしてくれる食材です。
春巻きの具に入れたり、ポテトサラダに入れたりと、色々な料理に使うことができます。
小菅の方は、きびをお餅や大福にすることも多いです。
とってもきれいな黄色のお餅になります。
たかきびのタルト、プリン
赤茶色で、お米よりやや小さい粒のたかきび。
小菅村では「あかもろ」、お隣の旧西原村(上野原市西原地区)では「ほもろこし」とも呼ばれています。
粒と、粉になったものが物産館で売っています。
雑穀を粉にしたものは、小麦粉と同じように使えます。
タルト生地、クッキーといったお菓子などにも。
小麦粉よりも割高なので、小麦粉と混ぜて作っています。
赤茶色をしているので、チョコレートのような色になります。
(タルト生地もミルクプリンもチョコレートは使っていません!)
たかきびの、ほんのりとした苦味とコクがスイーツに合います。
また粒のものは、プチプチとした食感と赤茶色が、まるでお肉のよう!
ひき肉の代わりに、麻婆豆腐やミートソースといった料理に入れるのも合います。
むかしもろこしのかりんとう
小菅村でも家庭用に栽培される程度で、なかなか食べられない「むかしもろこし」。
むかしもろこしというのは呼び名で、正式名は「甲州系モロコシ」。
甘い粒のトウモロコシとは違い、粒がかたく、粉にして使う品種のトウモロコシです。
かりんとうという名前ですが、お菓子のかりんとうというよりも、ドーナツのような揚げ菓子です。
材料もドーナツと同じで、小麦粉の半分をもろこし粉に変えるだけ。
揚げることで、むかしもろこしの香ばしさが引き立ち、くせになる美味しさです。
小麦粉や米粉と混ぜて、おまんじゅうやお焼きにもできるそう。
「昔は、いろりで焦がして食べたな~。
砂糖は高価だったから甘くなかったけど、香ばしくって美味かったなぁ~。」
と教えてもらい、またまた食べてみたい小菅村の魅力的な食べ物が増えました!
青栁やすは
愛知県から小菅村に嫁ぎ、3人の子育てをしています。保育所の体育講師をしながら、小菅村の伝統工芸の「きおび」を使って、作品作りをしています。村に来る前は、環境教育に携わる仕事をしていました。小菅村でのスローライフを研究中。Instagramはこちら