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源流の村ならではのビールづくりを Far Yeast Brewing株式会社/ブルワー小松雄大さん

2025/02/07 ライター:Ogawa.K

 

 

小菅村を代表する企業の1つであるFar Yeast Brewing(ファーイーストブルーイング)。

小菅村に工場と社屋を構えたのは2017年。

そして2020年には本社を小菅村に移転しました。

2025年には出来立てのビールを味わえる飲食施設も開業予定。

 

源流の環境を活かしたビールづくり、そしてビールを多くの方に届けるため、新しい仲間を募集します。

今回はFar Yeast Brewing株式会社プロダクションチーム マネージャー・ブルワーの小松雄大さんに、どのような仕事をしているのかお聞きしました。

 

 

ビールづくりに携わりたい

その想いを軸に異業種から転職、移住

 


Far Yeast Brewing株式会社 プロダクションチーム マネージャー・ブルワー 小松雄大さん


──小松さんのお仕事について教えてください。

今は、現場作業のスケジュールを決めたり、決め事の会議をしたり、外に出てイベント対応をしたりしています。

いわゆる管理ですね。

メンテナンスや現場作業のサポートも行なったりします。

 

現場は工程ごとにチーム分けがされていています。

製品に近いところからいくと、充填・梱包、遠心分離、仕込みや発酵管理、と順々に。

 

僕も入社して順々に経験を積んだので、6年くらいたったので製造現場から、やや管理的な立場になりました。

今でも現場は好きです。

管理と現場のいいバランスを取りたいと思いながら仕事しています。

 

──小松さんはどういう経緯でFar Yeast Brewingに入られたのですか?

もともとは新卒で10年教育業界にいました。

サービス業で直接人に携わるので、やりがいはありました。

その頃からビールを飲むのが好きで、ちょうどブルーパブが広がり始めたころでもあったのですが、作ると楽しそう、美味しい、奥が深いと興味が高まって。

それでまずはクラフトビールを扱うレストランに転職しました。

※ブルーパブ…店内に醸造所を併設した飲食店のこと

 

その頃は下北沢に住んでいて、老舗クラフトビールボトルショップの北沢小西の常連で結構な頻度で行っていました。

ある時行ったら、まさかのFar Yeast Brewingの社長がいて。

「あれ?なんか見たことある人がいる!」と。

 

色々と話していたら、アルバイトを募集していると。

ちょうどもっと製造に近い仕事がしたいとレストランを退職したばかりのタイミングだったので、すぐ決めました。

 

半年間は平日に小菅村に行って、先輩社員と一緒に社宅で寝泊まりしました。

週末は下北沢にかえるような生活です。

半年くらい経ったころに、社員登用の話をもらいました。

 

──運命的な出会いですね(笑)

今考えるとそうですよね。


──小菅村への移住もご家族の方でも問題なく?

なかったですね。

タイミングが大きいと思いますが、まだ子どもが小さくて小学生にあがっていなかったですし、奥さんも自然が多いところで子育てをしたいと言っていたので。

 

実際に来てみて、村人同士のつながりがすごく強いので、子育てに良い環境だなというのは感じています。

 


工場でお仕事の様子を楽しそうに話す小松さん。


──製造の仕事に近づきたい、そう思って体験したアルバイトの期間がとてもよかったのですね。

製造の仕事ができるという実感があったのでしょうか。

そうですね。

製造の仕事といっても色々あるんだなと知ることができました。

アルバイトの期間は瓶や樽等への充填業務や、完成したビールを箱に詰める梱包業務をしていました。

製造の仕事に近づいたなという気がしましたね。

ビールの作り方も知らなかったので、教えてくれる人がいるというのがありがたかったです。

空いている時間に樽洗浄やタンク洗浄のことも教えてもらったりして、成長できている感じがあったんです。

 

──会社のカルチャーがフィットしたんですね。

カルチャーのフィットなのかな、わからないですけど、とにかくビールづくりに携われているというのが嬉しかったですね。

それに当時は人も少なかったので色々なことを教えてもらいました。

すごい先輩がたくさんいる。

それもとてもよかったです。

 

 

お仕事は工程ごと だけど

自由に、コミュニケーションもたくさん取りながら

 

──今何人くらいの方が働いているんですか。

今現場に出ているのは、技能実習生の方も含めて15人ですね。

増えました。

未経験の方も多くいますよ。


Far Yeast Brewingのオフィス。皆各々に自分の仕事を進めている。オフィス家具は村内企業の「小菅つくる座」に制作を依頼した。


──みなさん小菅村に住んでいる?

いえ、村内に住んでいるのは社長と僕と、もう3人。

全部で5人です。

他の方は大月市とか八王子市ですね。

 

──新しくFar Yeast Brewingに入る方は、どのようにして仕事に慣れていくのでしょうか。

ちょうど2024年に2人、新卒社員が入社したのですが、倉庫管理と梱包管理に1人ずつ入ってもらって徐々に現場に慣れてもらっています。

梱包・倉庫管理、充填、遠心分離、発酵管理、仕込みと製造の下流から覚えてもらう形になります。

経験者の方であっても、ビール製造現場ごとにビール作りの工程は違うので周辺のことから入っていただくことになります。

もちろん慣れていらっしゃるのでステップは早いということはあるかもしれませんが。

 

限定品の企画を担当するようになると、レシピ開発の他、外部とのイベント企画を一緒にやったりもしますね。

海外のブルワリーとのコラボ企画とかもあります。


ビールづくりの工程が親しみのあるイラストとともに。奥ではビールの濾過が進む。


──具体的に仕事時間はどのような感じなのですか。

担当する工程によって作業時間は違います。

例えば遠心分離作業を担当した場合は、朝から昼くらいまで作業して昼以降は片付けとか。

充填作業だと朝から開始して15時くらいに終わって片付け始めるとか。

1個の作業時間が長いですね。

充填作業も大規模工場のように完全自動化されたものではないので、1つのパレット900本充填するのに30~40分くらいかかります。

 

トラブルがなければ、ほとんど定時で終わりますよ。

早めに終われば、限定品の企画を考えたり、イベント対応をしたりします。

次の期ではある程度その年の柱にする限定品のスタイルを決めて進めることになったので機会は減りますが、今までは限定品の企画を集める機会もあり、「やりたい人」で集めることもありました。

レシピを考えられる人とアイディアを持っている人が組むようなこともありました。

 

あとは新卒の社員主導で2ヶ月に1回くらいテイスティング会をやっています。

前は僕がやっていたんですけど、役割交代しました。

自社の限定ビールを飲んだり、気になっているお酒を試してみたり。最後は飲み会みたいになってしまいますが、良いコミュニケーションの場になっていると思います。

 

 

一緒に村で生活している人が

自分のつくったビールを楽しんでくれるという充実感

 

──飲み会なんですね、良い場になりそうです。

はい、飲んじゃうのでちょっと村の方に村外在住社員の送迎をお願いしちゃったりするんですけど(笑)

村の方も「いいよ」と言ってくれて。

お礼のビールを渡したりして。


──村の中の循環みたいでいいですね。

小松さんがお仕事をしていて嬉しかったこと、楽しいことありますか。

そうですね。

大事にしていること…。

Far Yeast Brewingの人としてはイベントで外に出た時に意識しますね。

いかにわかりやすく魅力を伝えるか。

製造側に入り込みすぎると、一般的にわかりづらい言葉を使ってしまったりするので。

製造側、ブルワー側としては「丁寧に」を大事にしています。

 

──好きな工程はありますか

仕込みをやっていた頃は、糖化した麦汁を濾過して、麦汁を綺麗にしていく工程があるんですけども。

サイトグラスを覗きながら「クリアになっているな」と麦汁の様子を見ている、その自分を俯瞰して、「あ、ブルワーっぽいな」って、テンションはあがりますね(笑)

それから、遠心分離作業をしている最中にビールテイスティングするんですけど、「今日の、いいな」って思えるとき。

 

うん。

あとは自分が担当したビールを村の人と一緒に飲める時でしょうか。

僕、村の消防団に入っているんですよ。

過去に消防団の仲良いメンバーで集まった時に、自分が担当した度数10%のビールと、自前のビールサーバーを持って行ってみんなで飲んだことがあって。

皆すごいことになりましたね。

でも、楽しかったしみんな喜んでくれていました。


出来上がったビールはこちらに保管される。そして、国内、世界に運ばれていく。


──村の中にある企業ならではですね。

そうですね。

村人同士知り合いも多いですし。

これがもし東京のブルワリーだったらそういうことも少ないだろうなって。

常連のお客さんはいても、その人たちと一緒に生活しているっていう感覚は持ちづらいですよね。

一緒に生活している人に喜んでもらうっていいなと思ってます。

 

──これからやってみたいこと、ありますか。

今使っている機器を入れ替えたいです…というのは、業務的すぎるので(笑)

村での主催イベントをやってみたいですね。

1回、近隣の上野原市でトライアルはやってみたのですが。

Far Yeast Brewingで主催して村と連携してもっと人を呼んでみたいです。

 

今年一応、小菅村の道の駅にFar Yeast Brewingの複合施設ができる予定なので、その時にもお披露目会みたいなものができたらとは考えています。

 

──どんな方と一緒に働きたいですか。

前向きに物事を捉えられる人がいいですね。

ブルーイングの仕事って地味な作業とか力仕事、体力を使うことが多いんですけど、そんな中でも前向きに。

この袋なんか25kgくらいあるので。

これをこう、持ち上げて入れて…。


持たせてもらいましたが、全く持ち上がりませんでした。体力おちてるなーと言いながらも、持ち上げる小松さん。


チームビルディングを過去に学んだんですけど、その中に1.1コメントっていう考え方があって。

1.0が普通の状態だとしたら、1.1はちょっと周りの人の気持ちが上向くような言動。

逆に0.9は周りの人の気持ちが下がっちゃう言動。

0.9な人と仕事するとやっぱり疲れちゃいますよね。

1.1な前向きな考え方が出来る人と一緒に働きたいですね。

 

大変な中でもお互いに、楽しく、良いビールを一緒につくれたら嬉しいです。

 

 

●Far Yeast Brewing株式会社でお仕事をしてみたいと思われた方は以下にご連絡ください。

詳細:https://faryeast.com/recruit/

連絡先:recruit@faryeast.com(@を英字の@に変えてお送りください)

※ご返信までにお時間をいただく場合がございます。

 

 


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    Ogawa.K

    東京多摩生まれ多摩育ち。幼少期から多摩、奥多摩の山々と親しむ。初の小菅村訪問は齢2歳だったそう。

    仕事で小菅村に関わるようになり、すっかりと虜になりました。小菅村の一番好きな時期は春の芽吹きのころ。