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世の中のインフラを動かす製品をつくり出す仕事 小菅精機株式会社/常務 舩木穣さん

2025/02/20 ライター:Ogawa.K

 

 

奥多摩町側から大月方面に向かう時、役場の前を曲がるとちょうど見える「小菅精機」の文字。

村を訪れたことがある方なら一度くらいは目にしたことがあるのではないでしょうか。

 

小菅精機(株)はさまざまな企業を納入先に持つ金属加工会社。

出来上がる製品のひとつひとつは「美しい」の一言。

一緒に技術を磨いて、ものづくりを支える人を募集しています。

 

 

小菅村の中心で、世の中のインフラを動かす製品をつくりだす

 

──小菅精機のお仕事を教えてください。

金属加工をしている会社です。

自社製品ではなく、発注を受けた内容をひとつひとつ形にする、オーダーメイドの製造会社。

図面を一枚いただければ、ワンストップで受けられるというものです。

自社だけで製品にするものもあれば、協力会社と連携して製品にするものもあります。

 

──金属加工、具体的にどのような内容なのでしょうか。

半導体製造装置、工作機械、建設機材に関する部品などを作っています。

 

半導体製品は多くの物に使用されています。

その半導体を作る装置の部品加工を行なっています。

自動車やスマホ、パソコンなどを始め、多くの製品に使われていますが、現在ではA Iに使われる半導体の製造装置の部品加工も行なっています。

 

他にも、工作機械では、自動旋盤系の部品加工、フォークリフトに使われる建機部品などを製造しています。

 

──舩木さんご自身はどのような経緯で入社されたのですか。

私は、2-3年ばかり別の仕事をしていました。

事務系の仕事をしていたのですが、仕事が合わなくて。

それでどうしようかと考えていた時に、当時、私の父が小菅精機で働いていたので、遊んでいるなら働きにこいと誘われました。

 

父が社長になる前から、小菅精機で働いているのを見てきました。

アルバイトをしていたこともあったので、少しは働く想像もできました。

ちなみに父は創業者ではなく社員から社長になった3代目です。

それで、今私も入社して20年近くになりますね。


外からでは見えない工場の中の様子。色々な機械、部品が整然と並んでいます。


──これだけ続けられているということは、ものづくりが性にあったんでしょうね。

どうでしょう(笑)。

ものづくりが性に合っているかはわからないけど、やりがいはあるよね。

「これをどういう方法でやろうか」とプログラムを組んで、考えた通りに出来上がって、しかもそれが納品されて、世界のどこかのでしっかり仕事をしている。

それで継続受注になれば、評価されたんだということもよくわかります。

その達成感が好きですね。

 

──元々そうした工学の分野を学ばれていたんですか。

いえ、芸術系の学校を出たので無縁ですね。

入社してから学びましたよ。

 

──入社されると、どういうふうにして学んでいくことになるのですか。

うちには、第1製造課と生産管理課、総務、経理といった部署があります。

社内勉強もあるし、OJTもあります。

第1製造課では、最初は機械に慣れてもらうことが必要なので機械の取り付け取り外しから教えていきます。

生産管理課では、営業、顧客からの受注、協力会社への発注、配送などがあります。

 

どの部署でも先輩方が教えてくれますので、安心して技術が磨けます。

 

──例えば、私(インタビュアー)は不器用な方なのですが、そういう人が入りたいときた場合には、適性を見て決めたりされるのですか。

うん、そうですね。

まずは男女問わず元気があってやる気があれば、ありがたいですよ。

希望も聞きながら現場で動いてもらって、どこを伸ばしていくか決めます。

資格取得の支援もありますしね。

 

──どんな資格が必要なんでしょうか。

材料等重いものを移動したりするからクレーンの免許もあると良いし、荷物をクレーンで移動する時にもワイヤー等で吊るので、そうすると玉掛けの技能も必要。

有機溶剤やフォークリフトの資格も必要になってきますよね。

まぁ、配送する関係で準中型運転免許は持っててもらえると嬉しいですけどね。

 

──たくさんあるんですね!

そうですね。

だから自分で色々やっていけるのにはやはり、2年、3年かな。

それに、資格、免許だけじゃなくて「削り方」にも慣れていくんですよ。

 

 

ないものは、つくる。

フレームを理解しながらチャレンジする。

 

──削り方に慣れるとは。

もちろん、入っていただいたら技術面は伝えていきますよ。

コンピューター制御の機械や汎用機械も入っています。

ただ、削る時にどの刃物を使うのかなどの、加工プロセスや思考、工具の選定のセンスも必要かな。

それは、「こういうことをする製品をつくるなら、この削りが必要だよね」というようなことを自分で考える。

時間はかかるかもしれないけど、いろいろな経験をすることで技術やセンスも磨かれると思うので。

 

例えば、わかりやすい例でいうとアルミとステンレス。

もちろん同じ刃物でも切れるけど、あまり良くない。

材料(素材)に対して合った刃物を使うっていう。

すると削る側の刃物の持ちもいいんですよね。

 

──なるほど。

あとは、熱変位ですね。

鉄を削ると熱が生じるんですね。

すると、その加工している時の熱の関係で寸法が大きくなります。

でも冷えるともちろん小さくなるので、その熱変位を加味した加工をします。

夏だと暑いからそれだけでも膨らむし、逆に冬だと縮むしね。

お客さんに納入した時にちょうどよくなるような加工をするんですよ。

あとは余り熱を持たないように切削油をかけながら加工します。


削った後の美しい製品も数多くあったのですが、機密ということで撮影ならず。加工途中のものを見せていただきました。

完成品の検査の様子を見せてくださる舩木さん。


──製品によっても対応が違うし、季節によっても違う。場数が必要ですね。

場数はそうかもしれないけど、教えることが大前提ではありますよ。

それにセオリーはあるので、その枠は伝えます。

でもその中でいかに最終着地までを設計できるかでしょうか。

もっとこの作業を効率化するためには、こういう中間機材作ったほうが良いよね。とか、

例えば加工するものを押さえる取り付けが必要だよね。とかも含めて。

 

──試行錯誤したり、創意工夫が必要なんですね。

そうですね、チャレンジしてみようという気持ちがあった方が楽しいと思います。


──大体一人あたり、年間でどのくらいの商品数に触れるんですか。

どうだろう。200点くらいかな。

うち何千種類と取り扱いがあるんで。

 

──そんなに製品つくるんですね…

最初はフォローしながら、担当してもらってその機械の担当になっていく。

製品の担当というよりも、機械の担当になるんですよ。

いずれは多能工になってもらいたいので、色々な機械に触れて技術を身につけてほしいですね。


──舩木さんにとって、今の仕事の一番面白いところはどこですか。

今で言うと、お客さんから信頼を得られたら嬉しいですね。

現場にいるときだと…そうだな。やっぱりものができた時ですかね。

苦労して苦労して、1000分の1ミリ、ミクロン単位で寸法を出さなきゃいけないことがあって。

それができた時には「おお、腕上がったかな?」って、いや機械のお陰かって自分で思います(笑)

 

機械で補正も入れて加工するんですけど、自分的に「これで出せるな」って思って試行錯誤して、定めて実行する。

機械の状態も、材料の状態も、工具の状態も、気温も。

全ての掛け合わせで結果が変わってくるので、そのあたりを見定めて、「出したいものを出せた」っていうのがやっぱり良いですよね。


みなさんが用意されている、中間の機材、工具が美しい。


 

村に必要な会社として

 

──会社の1日の流れはどのようになっているのですか。

うちは8時から始業なので、大体7時45分くらいには出社してますね。

従業員は村内の方が多いですが、奥多摩町、丹波山村からも来てますね。

定時は17時で残業は2時間としているので19時。

 

現在は水曜は比較的早く帰る日ってことになってます。

ほら、村って仕事以外にも用事があったりするので。

だから、有休をうまく使ってそれぞれに過ごしてますよ。

 

全体ミーティングは週1で行い、その他の日は職場ごとにミーティングを行ってるので顔を合わせられるようにはしていますね。


──先ほどの作業に対する適性というのもあると思いますが、どんな人と働きたいですか。

ミーティングや作業中に、気づきがあれば共有するようにしてるんですけど、そう言う意味で相談をしっかりできる人でコミュニケーションをしっかり取れる人が良いですね。

それで、さっきも言ったけれども、未経験者でも元気でやる気があれば歓迎します。

もちろん、経験者大歓迎です。


──舩木さんとして、より取り組んでいきたいことはありますか。

会社として不良をつくらずお客さんの要望に応えて、喜んでもらえるような仕事をしていきたいですね。

また、社員が怪我をせず、健康に過ごせるようにしたいですね。

 

そして、この会社を未来につなげていくこと。

私自身、この会社は村に残していかなければいけない会社だって思っています。

バランスを見ながら新しいことにもチャレンジしていきたいですね。

村内のちょっとした困りごとにも対応してますよ。「ここ、穴がつぶれちゃったから直して」とか。

支え合ってます。


──応募を検討されている方にメッセージはありますか。

いやー面白いこと浮かばないな。

 

──面白くなくて良いですよ!

ベタかもしれないけど、「ものづくりを通じて、社会づくりに一緒に取り組みましょう」かな。

アルバイトもできますよ。

女性で働いている方も数人います。

敬遠されがちな業界かもしれないですけど、この小菅村で自分が作った部品が世界の何処かで使われているって素敵ですよね。

 

男女問わず、これまで私共のような業種にご縁がなかった方でも気になったらぜひ、ご連絡ください!

 

 

 

小菅精機(株)でお仕事をしてみたいと思われた方は以下にご連絡ください。

電話:0428-87-0331

W E B https://kosuge-seiki.co.jp/

Email:soumu@kosuge-seiki.co.jp(@を英字の@に変えてお送りください)

※ご返信までにお時間をいただく場合がございます。


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    Ogawa.K

    東京多摩生まれ多摩育ち。幼少期から多摩、奥多摩の山々と親しむ。初の小菅村訪問は齢2歳だったそう。

    仕事で小菅村に関わるようになり、すっかりと虜になりました。小菅村の一番好きな時期は春の芽吹きのころ。