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小菅のこれ、なあに? 村に張り巡らされた柵は何のため?

2019/03/26ライター:田中いつき

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小菅村のあちこちに高い柵があるのにお気づきでしょうか?

 

 

都会ならまだしも、自然溢れる場所に物々しい柵があって、ややびっくりするのは筆者だけではないはず……。

 

 

近寄ってみると、高電圧で危険という文字。

なかなか物騒な感じがします。

が、この向こうには家や建物があるわけでもなく、何を守っているのかよくわかりません。

これって一体何なのでしょうか? 

 

気になったので、村に住んでいる方に聞いてみました。


お話を伺ったのは小菅村の企業、(株)boonboon(ブンブン)の鈴木一聡さん。電気柵に詳しいんだそう。



―あの柵は何ですか? 

普通、民家やグラウンドにあるような大きな柵ですが、小菅村では畑のような場所に多いですよね?

「あの柵は畑に野生動物が侵入しないように設置した防護柵です。

野生のシカ、サル、イノシシ、タヌキ、ハクビシンが畑に入ってきて、作物を荒らす被害が多発したため、畑を守るために作られています。

単に高い柵というだけだと、サルやシカは飛び越して入ってしまうので、電気を流して、動物が触ると軽く感電させる仕組みにしています。」

 

―動物対策でしたか。

電気が流れているということは、人が触ったら危険じゃないですか?

「電気が流れているのは柵の上部に張られているワイヤー部分です。

普通の状態では触ることはないと思います。

ワイヤー部分に触れたら痛いですし、危険なので絶対に触らないでください」

 

 

―なるほど。動物にはどのくらい効くんですか? 

「感電という慣れることのない痛みを経験させて、『ここに近づくと危ない!』と思わせるんですね。

動物の警戒心により柵に近寄り難くさせる効果があります。

電気が流れているといっても、怪我をさせたり、死亡させたりするようなものではないです」

 

 

―どんな動物がどのくらい、村内にいるんですか?

「小菅村にはシカ、サル、イノシシ、タヌキ、ハクビシンなど本州に生息するほとんどの哺乳類がいます。

サルは数十頭の群れが5グループぐらいいることがわかっています。

シカは約1,000頭程度いるとみられています」

 

―1,000頭! 多いですね。

でも以前から動物はいたのではないでしょうか? 

最近になって柵が目立ち始めたような気がするのですが、それはなぜでしょう?

「以前は畑にも集落に近い山にも人が多く活動していて、野生動物と人の間に暗黙の境界みたいなものがあったんです。

これより山を降りると、人がいるぞっていうような。

そして、野生動物たちは人を怖がっていたので、そのラインを超えて、畑に現れることは少なかったようです」

 

 

「最近は人口減少や生活の変化により、畑や集落に近い山で活動する人が減ってしまいました。

そうすると『暗黙の境界』がなくなったんですね。

人が怖くなくなってしまった。

小菅村では多くの畑が山のそばにありますから、畑はすぐに野生動物のエサ場になってしまうんです。

苦労しないでおいしい野菜が食べられちゃいますから。

なので、ほとんどの農家さんが電気柵を作っています。

 

余談ですが、小菅村では日当たりの良い平らなところを優先的に畑にしてきた為、写真のように畑より家の方が日当たりが悪いことも、しばしばあるんですよ」

 

―家の日当たりを犠牲にした畑で作った野菜を、動物に食べられちゃうのは悲しいですね。

柵があれば被害は押さえられるんですか?

「集落に野生動物が近づきにくいように草刈りしたり、動物が好むカキやユズの実をなったままにしないようにしたりする対策もしています。

また集落に出る動物を捕獲してしまうというのも効果的です。

そもそも電気柵のそばに来ないようにするということですね。

 

僕たちが経営している(株)boonboonではシカやイノシシを捕獲する個体数調整や、サルの追払いなどの野生動物管理をしています。

捕獲したシカはただ駆除をするだけでなく、ハンバーグや鹿革商品として販売もし、有効活用していますよ」

 

 

―シカハンバーグ!! 駆除した命を無駄にせず、活用しているのですね。

どこで食べられますか?

「不定期ですが道の駅こすげの物産館で、冷凍のハンバーグを販売しています。

また源流レストランのテイクアウトコーナーでシカまんの販売も始めました。

こちらも不定期なので、道の駅までお問い合わせください」

 

―次回の訪問が楽しみになりました! 

最後に読者に伝えたいことはありますか?

「野生動物を見かけても絶対にエサをやらないでください。

車に乗っている時だったら決して降りないでくださいね。

サルやイノシシに襲われると大変危険です。

車内からクラクションを鳴らして脅かすのが良いですね。

野生動物はびっくりしたら山へ帰るので。

 

また、動物に負けずに野菜を作っている農家さんの野菜が物産館で販売されています。

それらを買ってもらうのもありがたいです。

もちろん僕らのシカハンバーグも試してみてくださいね」

 

 

野生動物から畑を守り、村を守るための努力が、あの大きな電気柵だったのでした。

小菅村に遊びに行った時に野生動物に会っても、決してエサをやらないでくださいね。

そして、おいしい野菜を買って帰りましょ♪

 

 

道の駅こすげ 物産館

HP: http://kosuge-eki.jp/

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田中いつき

小菅村に通い始めて15年のライター。東京在住。コーヒーとチョコとアイスとパンがあれば生きていける。 趣味は散歩と昼寝。生き物、農業、林業の話題が好き。普段は料理、コスメ、雑貨の記事を書いている。

Twitter https://twitter.com/atree_s

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