おじぃが作る小菅村の伝統おやつ「うすやき」は、あのおしゃれスイーツだった!
2020/01/24 ライター:青栁やすは
山梨県にはほうとう、すいとん、吉田のうどんなど、小麦粉を使った郷土料理が多くあります。
山梨県には甲府盆地と呼ばれる場所もありますが、県土の7割が山地。
お米が作りづらく、山地で育てられる小麦を使った料理がよく食べられてきたのです。
同じく山に囲まれた小菅村も、昔から小麦がよく栽培されていました。
村のおばぁが「よし、夕飯はうどんにすんべぇ~。」と言った後に、ぱぱっと小麦粉からうどんを作った時にはとても驚きました。
そんな小麦文化のある小菅村。
昔から「うすやき(薄焼き) 」という名前のおやつがあります。
初めてうすやきを食べた時には、おじぃが作ったものにしてはオシャレで衝撃を受けたものです。
そんなうすやきの作り方を、村のおじぃに教わってきました。
これが「うすやき」!
こんがりとした焼き目がついていて、喫茶店で出てきそうなおしゃれな見た目です!
大きさは直径25cmと大きくて、切り分けてみんなで食べます。
そして、「薄焼き」という名前なのに、薄くないんです(笑)
「これをうすやきに付けて食うとうまいだぁ~。」と小菅村産のハチミツも一緒に出してくれました。
優しい甘さと、ふわふわの生地のうすやき。
ハチミツの甘さとも相性バッチリです。
ついついおかわりしてしまい、あんなに大きなうすやきもみんなでペロリと食べて切ってしまいます。
村のおじぃにうすやきの作り方を教わりました
何度もお手製うすやきを作ってくれるおじぃに、うすやきの作り方を教えてほしいとお願いをしました。
おじぃは「えぇぞー。」と、快く承諾をしてくれました!
こうやって作ってるんだぞ…と教えてもらえることにワクワクしながら台所へ向かうと…。
「混ぜて焼くだけだから、これでやっとくれ~。」と(笑)
ということで、おじぃの作る姿は見られませんでしたが、おじぃの指示の元にうすやき作りにチャレンジしてみました!
レッツ!うすやきクッキング!
まずは計量。
「牛乳はコップのこのへんまで、ベーキングパウダーはティースプーン1杯、砂糖はれんげ1杯だと甘さ控えめだからな。」
と、歴史を感じる分量。
ちなみにざらめ砂糖はピッタリ40g、ベーキングパウダーは計測不可能でしたが2~3gくらいだと思います。
薄力粉150gと、卵1個も同じボウルに加えます。
「混ぜるときはこれを使え~。」と出していただいたのがこれ。
大きいのでひっくり返すのも大変、と思いきや、
「もう1個フライパンを温めておいて、そっちにひっくり返せばうまくできるぞ。」とのこと。
「こういう道具も買ってみたけど、この方法が1番なんだ。」と教えてくれました。
これで完成!
ではなく、お皿に移したうすやきをレンジで1分加熱します。
厚みがあるので、これで生焼けを防ぐのだそう。
作り方を伝えたおじぃは途中で外に出ていってしまったため、
「弱火ってこれくらい?」「油ってこれくらいでいいのかな?」「そろそろ焼けた?」と疑問が残るままで作っていました。
しかし完成したうすやきは、おじぃのものとそんなに変わらない味!
おじぃも「いい焼き色でうまいわ~。上手にできたなぁ~。」とお褒めの言葉。
衝撃の事実
そしておじぃは「今日は粉がなかったけど、袋に全部入っとるやつだと早いんだよ~。」と。
「なんて名前だっけな~。牛乳と卵を入れるだけだからラクなんだよ~。」
なんとホットケーキミックスを使って作っていることが判明しました!!
材料を教えてもらった時点で薄々感じていましたが、うすやきはパンケーキだったのです!
他の村民の方にうすやきについて聞いてみると、昔は砂糖が貴重だったし、ベーキングパウダーもなく、在来小麦の中力粉で作っていたそう。
ふわふわというより、もっちりとしていたよと教えてくれました。
おじぃに教わったレシピは、「現代版うすやき」だったようです。
小菅村伝統の「うすやき」は、時代の流れとともに変化してきたおやつでした。
<今回教わった、長作じぃの現代版うすやきレシピ>
– 薄力粉 150g
– たまご 1個
– 牛乳 150cc
– ざらめ砂糖 40g(甘さひかえめ)
– ベーキングパウダー ティースプーン1杯(2~3g)
青栁やすは
愛知県から小菅村に嫁ぎ、3人の子育てをしています。保育所の体育講師をしながら、小菅村の伝統工芸の「きおび」を使って、作品作りをしています。村に来る前は、環境教育に携わる仕事をしていました。小菅村でのスローライフを研究中。Instagramはこちら