どう作っても美味しい小菅村のこんにゃく その③搗(つ)きこんにゃくの作り方
2020/05/04 ライター:青栁やすは
ぷるっぷるの舌触りが、山のフグ刺しとも呼ばれる小菅村のこんにゃく。
小菅村では昔からこんにゃく芋がよく栽培され、美味しいこんにゃくが家庭でも作られています。
そんなこんにゃくの中でも、1年のうちのある時期にしか売られない、幻のレアこんにゃくがあります。
いつも板こんにゃくを、道の駅こすげの物産館で販売している「河村食品」。
河村食品が、こんにゃく芋が出回る時期限定で作っているのが「搗(つ)きこんにゃく」です。
上の写真のパッケージには「うすづきこんにゃく」と書かれています。
杵と臼を使ってこんにゃくをついて作るので、うす(臼)づきこんにゃくです。
形は玉こんにゃくと同じく球形をしていますが、「ごりごり食感」との記載があります。
またパッケージには「生芋100%」との表記が。
こんにゃくは、こんにゃく芋から作る方法と、こんにゃく芋を粉に加工したこんにゃく粉から作る方法があります。
また小菅村では、茹でたこんにゃく芋を冷凍保存し、いつでもこんにゃくを作れるようにしている家もあります。
その中でも一番おいしいのが、こんにゃく芋から作る「生芋」を使う作り方です。
そんなとってもレアな、搗きこんにゃくの作り方をご紹介します。
搗きこんにゃくの作り方
①こんにゃく芋を茹でます。
適当な大きさに切ったこんにゃく芋を、鍋で煮ます。
この日は皮付きでこんにゃく芋を茹で、みんなで皮を手で剥きました。
②茹でたこんにゃく芋を臼に入れ、杵でつきます。
すりおろす工程をミキサーやおろし金ではなく、臼でついていきます。
杵が重いので、骨が折れる作業です。
つぶれたこんにゃく芋を見ると、マッシュポテトのような質感でこんにゃくも芋なんだとよく分かります。
よくつぶれたこんにゃくに少しずつ水を足し、重たい杵でひたすらつきます。
水とこんにゃくはなかなか混ざらないので、大変な作業です。
③水酸化カルシウムを入れます。
白っぽい色が、薄い茶色になり、こんにゃくの香りがします。
しっかりと混ぜるために、さらにつきます。
④整形します。
臼からこんにゃくを出し、かまどの近くに持っていき、球状に整形しながらお湯で1時間ほど茹でたら完成です。
整形のしかたは、玉こんにゃくと同じです。
搗きこんにゃくの完成!
完成した搗きこんにゃく(左)と、ミキサーで作った玉こんにゃく(右)です。
ゴツゴツしていて、同じこんにゃくとは思えない見た目です。
切ってみても、表面がゴツゴツしている様子が分かるかと思います。
固さも玉こんにゃくより固めなので、切りやすいです。
断面に、所々に大小様々なこんにゃく芋のつぶつぶが残っています。
食べてみると、パッケージにも書かれていた「ごりごり食感」という表現に納得!
こんにゃく独特のやわらかさの中に、ごりごりした食感があり、例えようのないくせになる面白い歯ごたえのあるこんにゃくです。
ぷるぷる感は少ないですが、こんにゃくの旨味がしっかり感じられてとても美味しいです。
こんにゃくは、道の駅こすげの物産館にて購入できます。
とっても美味しい小菅村のこんにゃく。
食べたことのない方は、一度はぜひ味わってみてください。
物産館には数種類のこんにゃくがあるので、食べ比べてみるのもいいですね。
特に、めったにお目にかかれない搗きこんにゃくは、見つけたら絶対に買ってほしい一品です。
<どう作っても美味しい小菅村のこんにゃく>
その① 壽さん流、全て手作業!手間ひまかけたこだわりこんにゃく作り
その③ めったにお目にかかれないレアな「搗(つ)きこんにく」【本記事】
\こんなふうに搗きこんにゃくを作っていました!/
道の駅こすげ 物産館
青栁やすは
愛知県から小菅村に嫁ぎ、3人の子育てをしています。保育所の体育講師をしながら、小菅村の伝統工芸の「きおび」を使って、作品作りをしています。村に来る前は、環境教育に携わる仕事をしていました。小菅村でのスローライフを研究中。Instagramはこちら