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村の達人が先生に!小菅小学校のユニークな授業を紹介

2021/03/18 ライター:A.H

 

 

人口約700人の小菅村。

小菅小学校は全校で33人(2020年8月時点)と小さな規模です。

 

この人数であれば複式学級(2つ以上の学年を1つにした学級のこと)になるのですが、そうではなく村が先生を採用し、1学年1人の担任の先生がついています。

1人1人に合わせたきめ細やかな指導をするなど、村も学校教育には力を入れています。

 

小菅小学校については、こちらの記事でも詳しく紹介をしています。

小菅小学校ってどんなところ?vol.1先生から見た小菅村と子どもたちとは。

 

その中でも小菅小学校は地域の特性を活かし、特色ある取り組みを行っています。

 

 

移住を決めた、小菅村ならではのユニークな授業

 

 

5年前に小菅村に移住した筆者。

色々な移住先を検討しましたが、小菅村への移住を決めた1番の理由は、小学校でした。

 

村の施設や工場を見学するといった村探検などの校外学習、村人が得意分野を活かして講師を務める授業など、他の地域にはない小菅村ならではの授業・教育が魅力的でした。

 

今回はその中の小菅村ならではのユニークな授業、「村の達人が先生になる授業」をご紹介します!

 

 

村の特性を取り入れた、小学校での授業


きおびで作ったオーナメント


小菅村には、「きおび」という工芸品があります。

きおびは小菅村産の樹齢100年以上のスギやヒノキの大木を薄くカットして、帯状にした素材です。

それを使ってカゴやオーナメントなどを作ることができます。

 

6年生の図工の授業には「編む」という単元があり、小菅小学校ではきおびが使われています。

講師は、きおびの生みの親である村の方が務めます。

 

 

講師となった村人に教わりながら、きおびを編む

 

授業の冒頭には、きおびがどのように試行錯誤して生まれたのか、実際に作っている本人から話を聞きました。

きおびの素材を作る際には、手間のかかる大変な工程がいくつもあるそうです。

 

 

きおびは最初、杉の間伐材を利用できないかというところから始まりました。

しかし節の多い杉の木では、薄い帯状にすることが難しく苦労したそうです。

そこで試行錯誤した末、建材用に伐採された大木の、材木として使われない根元の部分で、いい帯が作れるという結論に至ったそうです。

 

このような話を聞いた子ども達は、貴重な木材を使って手間ひまかけて物が生まれる背景を感じながら製作ができるので、とてもいい経験になると思いました。


カゴの底の部分は、平面にきおびを編み進めます。


カゴ作りは平面にきおびを編んだ後、立体に編み上げていくという難しい工程があります。


平面から立体的に仕上げ、カゴの形を作っていきます。


その過程に苦戦する子もいましたが、すぐにコツをつかみ、みんなそれぞれ素敵なカゴに仕上がりました。

実際に何年もきおびで作品を作っている講師だからこそ、制作する上でのコツや注意するポイントなどが、的確に子ども達に伝わっていると感じました。

 

この日の授業では、カゴを仕上げた子からきおびでコースターやクリスマス用のオーナメントを作ったりして盛りだくさんな内容でした。

子ども達が、もの作りをとても楽しめた授業になりました。

 

 

村の達人が講師となる授業は他にも

 

村の達人が講師となる授業は、6年生に限らず他にもあります。

 

様々な学年で行われる畑の授業では、村で農業を営む方とともに季節の作物を育てています。

また4~6年生が取り組む和太鼓では、小菅村にある和太鼓グループ大菩薩御光太鼓の奏者が講師となって授業が行われています。


村人講師とともに練習に励み、学校や小菅村の行事で披露します。


 

さいごに

 

小学校の門が広く地域に開かれ、子ども達にとって様々な経験と出会いがあるのは、親としてもありがたいことです。

子ども達にはこれらの授業を通じて、小菅村の方々と触れ合い、育った小菅村に愛着を持ってもらえると嬉しいです。

 

 

小菅村の「きおび」についてはこちらの記事で紹介しています。

木のぬくもりを感じる「きおび」を生活にとり入れてみませんか。

 


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    A.H

    東京から移住し、3人の子育てに奮闘中。絵を描く事を通じて、小菅での生活を楽しんでいます。特に冬の雪山がお気に入り。

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