地域おこし協力隊からの一歩:カレー屋「masala jeico」オープンした野島さんの挑戦
2024/11/28 ライター:寺田寛
小菅村では2011年から毎年、地域おこし協力隊を受け入れています。
約半数の人が任期終了後も小菅村に住み続けてくれているそうですが、その卒業生たちはどのような生活をしているのでしょうか?
今回は2023年に地域おこし協力隊を卒業し、その後道の駅こすげにてカレー屋さんをオープンした野島純子さんに突撃!
地域おこし協力隊期間中の活動や卒業後のカレー屋さん開業のチャレンジについて伺いました!
きっかけはコロナ禍
野島さんが地域おこし協力隊に着任したのは2020年10月。
やはり地域でのくらしに関心を持ったきっかけは新型コロナウイルスがあったそうです。
働いていた仕事が終わり、せっかくなら、都内とは違う環境に移りたいと考えていた野島さん。
何か仕事がないかと探していた時に小菅村を発見し、「田舎の村だけど、田舎らしくない。面白そう!」ということで小菅村地域おこし協力隊に応募したそうです。
協力隊の採用が決まる前から、いてもたってもいられずに小菅村のキャンプ場で働き始めたという、流石の行動力!
そんな積極性も実ってか無事採用となり、小菅の湯を拠点として地域おこし協力隊の活動を始めました。
タイニーハウス宿泊事業を立ち上げ
野島さんが最初に取り組んだのは「タイニーハウス宿泊事業」でした。
小菅の湯の前に建っている2棟のモデルハウスを、宿泊体験ができる施設としてオープンさせました。
当初は保健所の許可や事業の計画、備品の調達など、一から十までを企画し、実施するのが大変だったそうですが、「これを通して、何かをやるってことは大変だということが身を持って学べた」と言います。
小菅の湯の一員として活動する野島さんは、その他にも小菅の湯での物販を企画したりイベントを開催したりしました。
「温泉での活動を通して、小菅村の人と親しくなったり、小菅村について知ることができたりと、小菅村に馴染むための期間だったと思います。
その結果タイニーハウス事業でも村の方に手伝っていただいたり、お店を始めた今もいろんな人が気にかけてくれています。」
ちなみに2022年に制作された小菅村イメージ動画にも出演しています!
協力隊卒業から、カレー屋さんのオープンへ
タイニーハウス事業の立ち上げなどを行った野島さんですが、卒業まであと1年というところで、「小菅村で何か面白いことがしたい」という原点に立ち返ったそうです。
その想いを実現すべく、自身の好きなスパイスやインドといったことを活かし、約1年半かけてカレー屋masala jeicoを立ち上げます。
▼masala jeicoについての詳細はこちらもどうぞ
タイニーハウス事業などにも関わりたいという想いがあったようですが、一本に集中した方が良いということで他の人に引き継ぎ、ちょうど募集をしていた道の駅こすげのテナントに応募。
短い準備期間の中で、2024年4月テナントでの開店になんとかこぎつけました。
事業の立ち上げ経験のあった野島さんですが、それでも最初は想像と実際のギャップに苦しみ、資金や手続きの遅れなど予定通りに行かない大変さがあったと言います。
それから半年がたち、現在はSNSなどで「おいしかった」と話題にするお客さんもいるほど!
新たな小菅村の食事スポットになっています。
これから協力隊になる人へ〜ちゃんと知ること、自分で動くこと〜
そんな野島さんから、これから協力隊になる方へのアドバイスをいただきました。
「やっぱり村がどういうところか知ってもらって、ここで何ができるか、何がしたいのかっていうのはしっかり考えてからの方がいいと思います。
あと配属先の方との連携が大切で、お互いの意見を話し合いながらでないとうまくはできません。
応募する前に一回小菅村に来て(一回でなく何回でも来てみて!)ほしいです。
そして協力隊活動期間中は、自分から動くこと。
私もいろんなところに視察に行ったり、そこで起業した人の話を聞いてすごく勉強になりました。
誰かにこうしてほしいって思ってても何も変わらないよということで、自分が欲しい情報を求めにいく方が良いのかなと思っています。」
今後は自分のお店を持ち、これから地域で活動していく人の「モデルケースになれたら」と夢を語ってくれた野島さん。
地域を生き抜く、頼もしさあふれるお話でした。
寺田寛
小菅村の魅力を世界に発信すべく、様々なツアーを企画・運営しています。最近の悩みは自分が「雨男」になってきていること。晴れ男になる方法を知っている方はぜひ教えてください!