ジャガイモのおいしい村で、勝手にポテサラフェスをやる
2017/08/17 ライター:矢野加奈子
人は誰しも、ジャガイモが好きだと思います。
ジャガイモ嫌いの人は私が生きてきたこの34年の人生にはひとりもいませんでした。
そんな誰からも愛されるジャガイモ、様々あるジャガイモ料理の中で最も愛されているのが「ポテトサラダ」です。
ポテトサラダに囲まれて暮らしたい、そんな想いを抱いている皆さんのために、ジャガイモが美味しい村で、ポテトサラダが集結するポテトサラダフェスを勝手に開催しました。
ポテトサラダが大好きだ!
皆さんが大好きなポテトサラダはジャガイモを使った料理の一種で、茹でたジャガイモをつぶし、キュウリ、ハム、タマネギなどを入れ、マヨネーズで味付けした一般的な家庭料理です。
私もそんなポテトサラダを愛するひとりとして、日々ポテトサラダと向き合う毎日を過ごしています。
料理が出来ない私にも比較的簡単に作れるので、休みの日があればポテトサラダを作成しています。
ポテトサラダがあれば寂しい休日なんてありえません。
ジャガイモで味は変わる?
最近では色々な品種のジャガイモがでてきたので、作る楽しみも増えました。
そこで、まずは色々な品種のジャガイモで作ったポテトサラダフェスを開催することにしました。とりあえず独りで。
今回準備したジャガイモは、「男爵」、「メークイン」、「ノーザンルビー」、「シャドークイーン」、「富士種」の全5種類。
同じレシピでポテトサラダを作っても品種が違えば味は異なるのでしょうか。
ジャガイモが違うと見た目から全然違うんですね。
ポテトサラダとは思えない色のポテトサラダもできてしまいました。
これがジャガイモマジックです。
一つずつ味を見ていきましょう。
まずは、王道の男爵のポテトサラダ。
見た目はよく見かけるタイプのポテトサラダですね。
男爵はホクホクというイメージがあると思うのですが、ポテトサラダにすると、意外と男爵はねっとりした質感に仕上がります。
男爵のほくほくした味も遠くに感じる美味しい芋味です。
次はメークインのポテトサラダです。
メークインは一般的にねっとりというイメージがあると思うのですが、ポテトサラダにすると、意外にも男爵の方がねっとりでした。
食べ比べて初めてわかる違いですね。
さらっとした食感の美味しい芋味です。
次に変わり種として、ピンク色の皮と中身がかわいい「ノーザンルビー」のポテトサラダです。
ジャガイモ自体がピンク色なので、完成品であるポテトサラダもピンク色。
味も芋味で申し分ないですし、目でも楽しめる感じですね。
お次は、紫色の皮と中身でロックな見た目の「シャドークイーン」です。
ヘビメタのフェスにアイドルが参入した時のような驚きを味わうことができます。
紫色は食欲をなくす気がしていましたが、意外に箸が進みます。
芋味で美味しいからです。
そして最後に、山梨県小菅村に伝わる在来種ジャガイモの「富士種」という品種をポテトサラダにしました。
品種としてはメークインのようなねっとり感なのですが、味はまさにThe芋といった感じで、めちゃくちゃ芋味が濃くて美味しいです。
どのジャガイモも見た目も最高だし、美味しいし、スターぞろいのフェスです。
ずっとメインステージのトリだけみたいな盛り上がりを見せています。
人の幸せってポテトサラダで出来ているのかもしれませんね。
ジャガイモが美味しい村に行く
もっと高みを目指したい、ということでジャガイモがおいしい場所に行ってポテトサラダフェスを勝手に開催することにしました。
ジャガイモの聖地と言えば、北海道を思い浮かべると思うのですが、実は関東近郊にも聖地があるのです。
実は、関東に広がったジャガイモは江戸時代に山梨県の代官「中井清太夫」さんが、飢饉に苦しむ民を助けるために長崎から持ち帰り普及したという歴史があります。
そのため、今も在来種のジャガイモが大切に育てられている地域なのです。
山梨県小菅村でもその在来種が育てられており、また、水はけがよく涼しい高地に畑があるため、おいしいジャガイモが収穫されるのです。
ある意味関東から一番近いジャガイモ好きの聖地といえるのではないでしょうか。
聖地でポテトサラダフェス開催
運がいいことに、小菅村には3度のメシよりジャガイモが好き、という方が村民の方がいたので、各家庭の味持ち寄りのポテトサラダフェスを開催できることになりました。
品種によっても味が異なりましたが、家によっても味は異なるのでしょうか。
どれもおいしそうで、見ただけでよだれがでます。
自分の畑でジャガイモを栽培する所からはじまっていると思うと、手塩にかけた自慢のポテトサラダと言っても過言ではないでしょう。
トップバッターは、村ですずめのお宿という旅館を経営している「やちよさん」のポテトサラダをいただきます。
宿でもお客さんに作っているというある意味プロのポテトサラダです。
キュウリ、ハム、タマネギなどのおなじみの材料に加え、コーンやゆで卵も入って華やかです。
味はお酢とマヨネーズでねっとり系に仕上がっています。
トップバッターなのに、いきなり大御所がやってきた感じで安定の美味しさです。
次は村のイケメン男子「小山さん」のポテトサラダです。
イケメンな上にお料理も上手だなんて、マルチな活躍ぶりが、そのポテトサラダにも表れるのでしょうか。
男爵を形が残る程度につぶし、ニンジン、タマネギ、そしてウィンナーと粗挽きコショウという男らしさを加えた一品です。
味もガツンと来る感じで、男のポテトサラダという感じで、山盛りのごはん3杯はいけます。
次にいただくのは、村の道の駅にもおにぎりやお野菜を出している「輿水さん」のポテトサラダです。
村の素材を活かしつつ、新しい感性も取り入れた料理をいつも提供してくれる輿水さん、ポテトサラダも期待大です。
キュウリ、ニンジン、タマネギ、ゆで卵、ハムという王道の食材にリンゴ酢、マヨネーズ、塩こしょうという安定の美味しさが加わっています。
ジャガイモは茹でずに蒸かしているので、ホクホクが楽しめます。
次に登場するのは、村の知恵袋、保存食づくりも上手な「すえこさん」のポテトサラダです。
ポテトサラダ一番の楽しみはつぶすことと言い切るすえこさんのマッシュポテトサラダに注目です。
年をとるとホクホクよりねっとりを求めてしまう。
すえこさんはそう私達に優しく語りかけます。
ニンジン、キュウリ、タマネギ、ゆで卵という定番の食材をマヨネーズなどで味付けし、ここに少しの砂糖を投入するのがすえこさん流です。
そして、最後は村の農業名人「よしさん」のポテトサラダです。
ほとんど全ての食材を自家栽培できる強みと、食へのこだわりがポテトサラダを通じて私達を新たなステージへと導きます。
よしさんのこだわりポテトサラダはニンジン、ソーセージ、カニかま、キュウリなどの食材をマヨネーズと塩のさっぱり味に仕立ててあります。
実は、これ、このままでも十分美味しいのですが、ウスターソースをかけて食べると更なる美味しさになるのです。
人気アイドルも同じ食べ方をしているようなので、もう、よしさんを小菅村のアイドルと呼んでもいいのではないでしょうか。
みんな違って、みんないい
同じような食材を使っていても、それぞれの家庭の味がでてきて、みんなで食べ比べてみると新たな発見や、作り手の生活や性格まで見えるような気がしました。
作り方、味、食べ方、無限の宇宙と広がりを感じることの出来る食べ物。
それがポテトサラダなのです。
矢野加奈子
多摩川源流大学担当のスタッフです。美味しいものと楽しいこととズゴックが大好きな平均的な人間です。 源流大学で「ちゃの」と言えば私のことです。名字の「やの」とは関係ないけど。