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人口700人弱の小さな村にある大学とは?多摩川の源流にある「源流大学」ってどんなところ?

2022/05/18 ライター:yamashi

 

 

多摩川の源流にある小菅村には、「源流大学」があります。

 

実は、源流大学は「大学」という名前ですが、いつでも誰でも受けられる講座です。

しかも受講年齢は制限されていないので、小学生から社会人まで幅広い年齢の方が受講することができます。

講師は大学の先生ではなく、村民や村にゆかりのある方たちです。

 

講座は小菅村でしか学ぶことのできない内容となっていて、小菅村の文化や暮らしを通した、森林保全活動やものづくり、食育など。

日帰りの講座から1泊2日で参加する講座、通年で行われる講座などがあります。

 

そんな普通の大学とはちょっと違った、源流大学をご紹介します。

 

 

「源流大学」は大学の実習授業としてはじまりました。

 

 

源流大学は小菅村が主催し、NPO法人多摩源流こすげが運営しています。

源流大学は2006年に文部科学省の行う「現代的教育ニーズ取組支援プログラム」による助成を受け、設立されました。

設立当初は東京農業大学や東京学芸大学の授業や、法政大学のゼミ活動として、小菅村での農業や林業の体験を提供していました。


源流大学は、むかし小学校だった校舎を事務所や講座の拠点としています。


源流大学の構想が検討されていた当時、大学のカリキュラムでは座学が多く、農林業の実習や農山村を経験する場が少なかったため、この様な機会が求められていました。

一方で小菅村は高齢化による人手不足が進み、耕作放棄地や管理されない森林が増えていました。

 

源流大学が設立したことにより、小菅村は学生を受け入れることで管理が行き届かない畑や森林が改善されます。

源流大学に参加する大学としては、学生に対して小菅村(源流山村)の農業や林業、文化、芸能などを学ぶ機会を与えることができます。

双方にとっていい関係を築くことができました。

 

その後小菅村は、「中央大学」「日本体育大学」とも連携協定を結び、大学生を中心に小菅村ならではのプログラムを実施してきました。

 

 

源流大学の目指すもの。

 

 

「知識だけでなく、生きた知恵を次世代へ」

源流大学では、目先の未来ではなく、100年後の日本の循環型社会を実現するため、先人たちが残してくれた知恵を次世代に伝えていくことをミッションとしています。

小菅村の先人が残してくれた暮らしの知恵や食文化を受け継ぎ、様々な人たちへ伝えていくための講座を展開しています。


事務局長の石坂さん(左)と、源流大学のメンバーです(2021年)


そして2021年からは、より多くの世代の人たちに学びの場を提供したいという想いから、協定を結んだ大学だけでなく誰でも参加できる講座を開催するようになりました。

源流大学では、日本の文化や伝統を守っていくために、このような取り組みを全国で展開することが必要だと考えています。

その土地土地の文化を次世代に残すことで、人々が豊かに暮らしていけるのではないかと考えています。

 

事務局長の石坂さんは、「源流域にある小菅村は、都心から2時間ほどの場所にありながら、豊富な自然・伝統的な暮らし・人々の繋がりなど、農山村らしい風土を残す地域です。

学生や社会人がここで様々な体験をすることで、自分の暮らしや手にしているものの原点はどこにあるかを改めて考え、知り、自ら行動するきっかけを源流大学で提供していきたいと思っています。」と語ってくれました。

 

 

源流大学で開催されている講座を紹介

 

源流大学の講座は、「食学部」「考学部」「創学部」「遊学部」と4つの学部に分かれています。

 

全ての学部で共通しているのは、人から話を聞くだけでなく、体験学習を通して本物にふれ、根本を知る学びの場となる講座を実施していることです。

今回は4つの学部それぞれから、2021年に行われた講座をピックアップして紹介します。

 

 

食学部:小菅村の暮らしを試着 夏:わさび編~自然と共に生きる村から四季の営みを学ぶ~

 

 

小菅村の「美味しい食と暮らしを体験できるプログラム」として、本物の生わさびの香り・味を体感する講座です。

村のわさび生産者さんから伝統的なわさびの栽培方法、おすすめの食べ方、わさび作りの課題について教わります。

美味しい体験はもちろん、リアルな課題も知り、食の未来について参加者と学ぶ講座です。

 

 

考学部:水源の森再生プロジェクト

 

 

NPO法人地球守の高田宏臣さんの土中環境の視点から、山林の環境改善を継続して行うための講座です。

山の急斜面を安定させる石積みを学び実践する講座など、継続してさまざまなシリーズの講座を実施しています。

この講座では、土の中の水と空気の流れを改善することで自然本来の力を取り戻し、豊かな森へと再生を促す技術と、その自然と向き合う姿勢、作法など先人が行ってきた大切な所作などを学ぶことができます。

 

 

創学部:親子で作ろう~ミニデスクセット~

 

 

夏休み期間に実施した、親子でものづくりが楽しめる講座です。

木材とレーザープリンターなどを使って、デスクとコースターを作ります。

講師は、小菅村で木を活用したものづくりをしている(株)小菅つくる座のメンバーです。

作り方に加え、木の種類によって重さや香り、性質が違うことを学ぶ時間もあります。

夏休みの自由研究にもぴったりです。

 

 

遊学部:Go to Forest!~多摩川源流の森で森林浴〜

 

 

“Go to Forest!”は5月4日のみどりの日に、全国各地で行われる森を歩くイベントです。

小菅村でも、松姫峠から鶴寝山という初心者にもおすすめのコースで、森林浴を行います。

当日は源流大学のスタッフによるガイドの下、小菅村の森林に触れ、リラックスしながら、ゆったりした時間を堪能できます。

きれいな空気の中で自然の持つ偉大な力を感じながら、日常で忘れ去られている5感を使って森を楽しむ講座です。

 

源流大学では他にも、食べ物や暮らし、自然、文化といったさまざまなテーマで、講座が展開されています。

講座に参加した人たちが自分の未来だけでなく、子どもや孫世代のことを考え様々な学びや気付きを得る場所が源流大学です。

 

 

さいごに

 

 

小菅村の源流大学を紹介しました。

 

小菅村は昔ながらの文化や暮らしがまだまだ残っていて、そこには生きるために必要な知恵や自然とともに暮らす知恵が沢山詰まっています。

体と心で実感したことは、実践力になります。

源流大学の講座に参加して、生きた知恵を得てみませんか。

 

 

源流大学の講座の詳細や、過去の講座報告はこちら

HP:https://genryudai.jp/

 


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    yamashi

    こんにちは。僕は地元小菅村で林業の仕事をしている傍ら小菅村の素晴らしさを皆様に伝えるべくライターとしても活動しています。これからも沢山四季折々の素晴らしさを発信していきますのでチェックしてみて下さいね。

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