究極のこんにゃく! やってみるべしコンニャク芋からの作り方
2018/04/10 ライター:mariko
さて、みなさま。
花とは思えぬグロテスク?な花。
こんな植物の花を見たことがありますか?
実はこれ、コンニャクの花なんです!
めったにお目にかかれないのですよ。
なぜなら、コンニャクという植物が一生を終えるときにはじめて咲かせ、そして枯れていくのです。
今回は、小菅村で育つコンニャクと、手作りこんにゃくのおいしさをお伝えします!
※「コンニャク」というワードが沢山出てきますが、植物を「コンニャク」、食べ物を「こんにゃく」でお伝えしてきますので、混乱のないよう読んでみてください(笑)
こんにゃくって何から出来ているの?
こんにゃくが何からできているか知っている人はあまり多くないようですが、実は、コンニャク芋という植物にできる芋から作られるのです!
そして、こんにゃくの元となるコンニャク芋は、こんな風に生えています。
この植物が1年たつと大人のこぶしより少し大きいくらいのコンニャク芋が根っこ部分にできます。
2年目、3年目とどんどん大きくなっていくのですが、おおよそ6,7年で冒頭でお話したように花を咲かせて終わりです。
通常は4、5年程度で収穫をするため、花が咲くまで成長できる株は少ないのです!
まさに幻の花ですね!
小菅村は昔からコンニャク芋の生産が盛んで、かつては村のいたるところでコンニャク芋畑が見られたそうです。
人口減少と畑作業の担い手が減っていくなかでも、小菅村の名産であるこんにゃくを作り続けるべく、コンニャク芋畑は健在です!
芋からできるこんにゃく
スーパーで買っているおなじみのこんにゃく。
白いものや黒いぶつぶつのあるものなど、いろいろありますね。
おでんや煮物、田楽などいろいろなお料理で大活躍です。
コンニャク芋から作るこんにゃくですが、大量生産の場合はコンニャク粉で作っているようです。
黒いものは、海藻で色をつけています。
コンニャク粉はコンニャク芋から作られるので、もとは同じではありますが、こんにゃくを甘く見ることなかれ!
新鮮なコンニャク芋から作るこんにゃくは、今までの概念を覆すほど、食感も味もすごいのです。
こんにゃくは栄養がないの?
ローカロリーでダイエット向きのイメージが強いこんにゃく。
水っぽいし栄養なさそう、と思っている人も多いのではないでしょうか?
しかし、こんにゃくには人を元気にするパワーが含まれているのです!
こんにゃくの95%以上が水分なので、確かに水っぽい。
これは、グルコマンナンという、コンニャク芋に多く含まれる成分が、水分を多量に取り込んで凝固した不溶性食物繊維だから。
そのため、小腸で消化されず固形物のまま大腸へ、そしておなかすっきり~♪
一般財団法人日本こんにゃく協会によりますと、食物繊維は、腸内細菌のエサになって善玉菌の活動を活発にして、大腸内環境が健やかになる手助けになっているそう。
また、カロリーの摂取量が増えることを心配せずに、サツマイモ並みの食物繊維と卵並みのカルシウムが摂取できる食品だそう!
究極のコンニャク作り
小菅村でできるコンニャク芋を使って作るこんにゃく、各家庭それぞれに作り方は微妙に違います。
ここでは、「よっちゃん」こと藤木嘉さんの作る、究極のプルプルこんにゃくの作り方をご紹介します。
必要なものは、
・お鍋30センチ
・ぴっちりするゴム手袋
・持ち手の長い杓子
・おろし金
・コンニャク芋1.2キロ
・精製Pソーダ(食品添加物)45-50グラム(お椀一杯のお湯に溶かしておきます。)
です。
※田舎のホームセンターや大型薬局で扱っていますが、インターネットでも購入できます。
作業が結構たいへんなので、一気にたくさん作ります!
まず始めにコンニャク芋の準備。
コンニャク芋が小菅村で収穫されるのは10、11月あたり。
そのころ道の駅こすげの物産館にも並んでいます。
大きいものから小さいものまで大きさはいろいろです。
小さい芋は使いきり、大きいものはたくさん作るときに。
直径30センチの鍋にいっぱい作るとき、だいたい皮つきのままで1.2キロほど使います。
旬のころの芋は採れたてでみずみずしいのですが、採ったあと時間の経っているものはやや乾燥ぎみ。
そんな芋は使う前にそのまままず一晩水につけます。
皮をむいてさらに一日水につけるとグルコマンナンが表面に出てきてトロトロになっていますよ。
皮をむくときは手袋をして。
このコンニャク芋をおろし金で鍋の中に擦ります。
素手で擦ると手がかゆーくなりますから要注意!
長いものようにくっつくので水道水をちょろちょろと細―く上からかけながら擦ります。
擦ったものがダマにならないように。
色はピンク色だったり白かったり。
芋の状態で変わります。
擦った芋と水が混ざったものがちょうど甘酒のどろんとしたゆるさになる感じで、水を調節します。
お鍋を火にかけて杓子で混ぜます。
強火で煮立ったら中火にします。
ずっと混ぜていないとくっついたり焦げたりしますから、がんばって混ぜ続けます。
徐々に粘り気が強くなってきて重たくなります。
手が疲れてくるけれどがんばって!
プチプチと液体が飛ぶことがあって、結構大変です。
あまり固くなってくるようなら水を入れてゆるめてください。
わらび餅を作るときよりややゆるめで。
擦ったときの固まりや皮のかすなどが見えたらスプーンですくい取ってください。
20分くらいするとこれ以上は固くならないので、このまま40分火にかけ混ぜ続けます。
40分たったら鍋を火から下ろして、熱湯で溶かしておいたPソーダを入れて素早く30秒くらい全体をまんべんなくかき混ぜます。
15分このまま放置します。
その後、水道水をタプタプに注いで粗熱を取ったら、鍋のまわりに手を入れてグルっと鍋からこんにゃくをはがします。
そのあと包丁で十字に切りひっくり返します。
うまく出来ているときはそこになべ底大のおこげがあります。
それを一番上にのせて。
このオコゲ、こんにゃく作りの通の間では一番おいしいところだとか。
水の入った状態でさらに20分グツグツと再度煮て出来上がり!
火から下ろして水を入れて冷まし、適当な大きさに切り分けます。
出来上がりのプルプルさ、色合いなどは芋の状態や作っているときの水の量、Pソーダの入れ具合などによって変わってきます。
切ったこんにゃくはバケツなどの容器に水をはって保存します。
3時間くらいでアクがとれ食べられますが、1日置いたあとがさらにおいしいですよ。
水につけて数日たつと泡っぽく水が濁ってきますがそのままに。
長持ちします。
冬場の寒い場所ならこのままで1か月ほどもちます。
タッパーなどの容器で冷蔵庫に入れて、2、3日おきにヌメリを流しながら保存するとより長い間食べられますよ。
おいしい食べ方いろいろ
このこんにゃく、まずはお刺身で!
小菅村特産のわさびや、わさび漬けとは相性も抜群です!
かつおぶしをたっぷりのせてお醤油をぐるりとかけて。
きなこと黒蜜でわらびもち風デザートにもなります!
スーパーで売られているこんにゃくのように臭みがないので、おいしく食べられます。
そして、底にできたおこげ。
歯ごたえがあるおこげは細く切って油でいためて塩コショウ。
おいしいですよ~。
こんなこんにゃく料理も!
Pソーダを入れて固める直前に、ユズの皮のおろしたものを入れるとユズこんにゃく、青のりを入れると青のりこんにゃくになります。
そしてなんとこんなバリエーションも!
おからこんにゃく~。
同様にPソーダを入れて固める前におからを入れました。
ボソボソと固まっているおからをよくほぐして入れると均一に混じりますよ。
触感は畑のお肉!
うすく切って焼いて焼き肉のたれで!
または、唐揚げ粉をつけて唐揚げに!
天ぷら粉で揚げてもグーです。
小菅村産のこんにゃく製品
ここまでの手づくりは・・・でも小菅村産手作りこんにゃくが食べたい!
という方は、道の駅こすげの物産館へどうぞ。
すぐに食べられるおいしいこんにゃく製品売っています。
小菅村は超高齢社会。
ということは長生きな人が多いのです。
そしてご老人の方々は総じてとてもお元気。
さあ、あなたも小菅村産こんにゃくをたくさん食べて健康イキイキになってくださーい!
mariko
東京暮らしから一念発起、小菅村へ娘と親子山村留学をして1年になるママ。娘より小菅村生活を楽しんでる!と言われることも。
畑、料理、動植物のこと、生活の知恵、いろいろ教わって心豊かになったかな。
移住してからの小菅村日記ブログ http://blog.goo.ne.jp/mariko8686blog