そばが特産の小菅村の、美味しい手打ち年越しそば。
2018/03/13 ライター:青栁やすは
1年の最後の日、大みそか。
その日に欠かせないのが年越しそばです。
そばが特産品となっている小菅村。
その小菅村では、どんな年越しそばが食べられているのでしょうか?
そもそも、なぜ年越しにそば?
みなさんは、大みそかに年越しそばを食べましたか?
年越しにそばを食べる風習は、江戸時代から定着したと言われています。
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そばは長く伸ばし、細く切って作ります。
この、「細く長く」ということから「健康長寿」「家運長命」といった、縁起をかついでいるそう。
また他の麺類よりも切れやすいことから、「1年の災厄を断ち切る」という意味もあるそうです。
畑のそばを見たことはありますか?
そばはとても丈夫な植物で、やせた土地でも育ちます。
成長が早く、穀類の中でも栽培しやすいそう。
また、寒暖の差が激しい地域でも育てやすいです。
まさに小菅村!
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そばの花畑はとってもきれいですよ。
そばは昔から他の雑穀と共に、小菅村でよく育てられてきました。
そば粉は、小菅村物産館でも簡単に手に入れられます。
年越しそば作りを、見させてもらいました!
そばが特産となっている小菅村。
年越しには買ってきたそばではなく、手打ちする家も多いです。
その作り手は、お母さんが多いようです。
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石坂真悟さんのそば打ちを、見させてもらいます。
しかし今回は、小菅村に移住してきた若者のソバ打ちを見させてもらいました。
小菅歴13年・ソバ打ち歴は9年の、石坂真悟さんです。
そば打ちは、村のお母さんに教えてもらい、年越しそばは毎年打っているそうです。
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材料がこちら。
材料は
・そば粉
・小麦粉
・卵
・水
の4つです。
そば粉が用意できれば、材料はとってもシンプルですね!
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まず、そば粉と小麦粉を混ぜます。
石坂さんの作り方は、そば粉と小麦粉の量が半々。
そばの割合が高くなるほど、技術が必要となるため、初心者にはこの割合が、失敗が少なくて良いそうです。
打ち粉用に、そば粉を別に少し用意しておきます。
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つなぎに卵を入れます。
つなぎを入れることで、伸ばしやすく、切れにくくなります。
卵を入れたら、粉と混ぜ合わせます。
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水を慎重に入れていきます。
そこに、粉を混ぜながら、少しずつ水を足していきます。
「水はどれくらい入れるんですか?」
「量ってないんですか?」
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粉全体に水を行きわたらせるように、最初は指を使って混ぜていました。
ぽろぽろとした粉の塊が、だんだん大きくなってきました。
まだひとまとまりに、ならなさそうじゃない?と感じるくらいで見当を付け、力を入れてこね始めました。
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ひとまとめにしていきます。
ぽろぽろした塊を集めていくと、だんだんくっついて大きな塊に。
くっつかない所には水を足しながら、ひと塊にまとめます。
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ひと塊になったら、体重をかけてねっていきます。
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つるっとした、きれいな生地にまとまりました。
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打ち粉のそば粉を、のし板に振ります。
いよいよ伸ばします。
打ち粉を振って、台や麺棒にくっつかないように。
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麺棒を使って、伸ばしていきます。
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麺棒に体重をかけて。四角くなるように伸ばしていきます。
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均一に伸びているか、厚さをチェック。
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だんだん台に収まらないほど、伸びてきました!
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打ち粉をふって、半分に折り畳みます。
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さらにもう一度、半分に折り畳みます。
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緊張の瞬間。生地を切っていきます。
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トントンと、気持ちよい包丁の音が響きます。
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沸騰したお湯に、完成した麺をほぐし入れて、茹でます。
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茹で上がったら、水で締めます。
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ざるに盛ったら、完成です!
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いただきまーす!
ネギを薬味に、シンプルにざるそばでいただきます。
さすが手打ち!そばの香りがしっかり感じられます。
つるつるっと、どんどん食べられてしまいます。
ここまでで、ちょうど1時間でした。
小菅の方は、スーパーでよく見かける乾麺のそばは、
「あんなの、そばじゃねぇ。」
「そばの味がしないから、食わねぇなぁ。」
なんて、よく聞きます。
確かに手打ちそばは、香りがバツグン!
そば粉独特の舌触りが感じられるので、乾麺では物足りなさを感じるのでしょうね。
なんて贅沢なんでしょう!!
年越しそばを拝見。
年越しは、このざるそばを夕飯にいただくのが小菅流。
他のお家の、大晦日の夕飯を見せていただきました。
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小泉さん家の豪華食卓。
「今年は手が痛くて、ぜんぜん下手だった!」とお母さんは言っていましたが、十分に細いそばです!
大晦日にお節料理も並んで、豪華食卓!
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青柳さん家の、2種類のそば。
息子が打ったそば(左)と、父が打ったそば(右)。
太さ・硬さが違った2種類のそばが楽しめます。
そして、そばとけんちん汁という、不思議な組み合わせ!
と思ったら、小菅村では12月30日にけんちん汁を大量に作る家庭が多いそう。
そして、年末年始に大量に作ったけんちん汁を食べるのです。
おせち料理のように、お母さんが食事を作る手間を減らすための、昔からの風習ようです。
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木下さん家のそば。
こちらは、1月1日の食卓。
そばも大量に作るので、翌日にお節料理とともに食卓に並びます。
次の日はざるそばの他に、煮込んで食べたりされます。
そばの美味い村でそばを食べよう!
小菅村のそば事情を知ったら、小菅村のそばを食べてみたくなりませんか?(笑)
そば粉も、もちろん簡単に買えますが、もっと手っ取り早く食べられる場所もありますよ。
廣瀬屋旅館
〒409-0211 山梨県北都留郡小菅村4508番地
営業日:宿泊は通年営業、ランチは団体等の予約日以外営業。
夕食にはそばと小菅村の幸が楽しめ、宿泊客向けの蕎麦体験も行っています。
ランチも営業もしているので、宿泊をしなくても食事を楽しめます。
小菅の湯 食事処ひのき
〒409-0211 山梨県北都留郡小菅村3445番地
休業日:第四金曜日(11~3月は毎週金曜日)
小金持ち工房【営業終了】
(小菅の湯となり)〒409-0211 山梨県北都留郡小菅村3445番地
営業日:土・日曜日・祝日(冬季は休業)
※小金持ち工房は営業を終了しました。小菅村の食事処についてはこちら。
原始村 そば処【営業終了】
〒409-0211 山梨県北都留郡小菅村1970番地
休業日:月曜日、冬季
※2022年7月時点で、小菅村の鹿肉を使用したこだわりのランチを楽しむ「食事処ムッカ」として営業しています。HPはこちら。
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青栁やすは
愛知県から小菅村に嫁ぎ、3人の子育てをしています。保育所の体育講師をしながら、小菅村の伝統工芸の「きおび」を使って、作品作りをしています。村に来る前は、環境教育に携わる仕事をしていました。小菅村でのスローライフを研究中。Instagramはこちら