小菅村の山を守る、「山師」の仕事とは?
2018/11/01 ライター:yamashi
「林業」というと、どういうイメージがあるでしょうか。
林業はよく3K(きつい・汚い・危険)と言われたりもします。
でも実は「源流の里」小菅村にとって大切な仕事です。
そんな東京都の水源林で林業を担う「山師(やまし)」のお仕事を、ぜひみなさんにも知っていただきたい!
そんな熱い思いのもと、現役山師でもある筆者がご紹介していきます。
一筆入魂の記事をぜひご覧あれ!
山師の仕事とは?(林業について)
突然ですが、林業の定義って知ってますか?
ウィキペディアによると、「森林に入り、主として樹木を伐採することにより木材を生産する産業。第一次産業の一つ。」だそうです。
(出典:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9E%97%E6%A5%AD)
ざっくり言うと、「木を育てて売る」というのがお仕事です。
ちょっとざっくりしすぎましたね(笑)
しかし近年は木材の価格が下がってきたことから、木材を実際に売るということがなかなかしづらい状況になってきています。
そのため小菅村では、林業を生業としている人たちを「山師」と呼び、「木を育てて売る」以外の仕事もします。
土砂災害を起こさないように、自然が荒れないように、木を間引く「間伐」や、余分な枝を切り落とす「枝打ち」をして、「健康な森を守る」仕事を行っています。
なぜそんなことをするかと言うと、小菅村は多摩川の源流部に位置し、面積の約95%が山林となっています。
その山林の1/3は東京都水道局が管理し、東京都民の飲み水を育む「水道水源涵養(かんよう)林」と呼ばれる森になっているからです。
この森があるからこそ雨水が浄化され、少しずつ多摩川に水を流すことができるのです。
森を管理していく「山師」の仕事はとても大切なお仕事なんです。
山師の仕事を一部ご紹介
①健康な木を育てるための「間伐」「枝打ち」
良質な材を得るために地ごしらえ(新しく苗木を植える場所を確保すること)をします。
そして植栽、主伐までの間に、「間伐」と言う工程があります。
間伐とは密になりすぎた林の中で、立ち枯れや下木になっている物を切り間引く作業の事を言います。
間伐や枝打ちをすることによって、地表面に光が差し込み、木の成長を促します。
また下草が生える環境を作ってあげることで、土砂災害の防止にもなります。
②苗木を守る「シカ被害対策」
植栽した苗木は特にシカの被害を受けやすいので、柵をしてシカの侵入を防ぎます。
登山をする人なら見たことあかもしれませんが、ヒノキや杉の皮がむけているのはシカによるものがほとんどです。
シカは皮を剥いた内側の水々しい薄皮を好んで食べているようです。
苗木の場合は先端部分を食べられてしまいます。
そうすると苗木は枯れてしまいます。
③鳥たちの繁殖を手助けする「巣箱の手入れ」
森は野鳥の住み家ともなり、野鳥は豊かな森を育むための重要な存在です。
小菅村の山師は、そんな野鳥にとって住みやすい環境づくりを行うことも重要な仕事の1つだと考えています。
そこで、毎年森の中に設置している巣箱を清掃し、綺麗にしてまた森の中に設置しているのです。
④水源の管理をより安全に行うための「路面かきならし」
先ほどもお話ししたように、小菅村の森林の一部は東京都で管理をしています。
そのため職員の方が森林の状態を確認したり、保全活動をしたりする機会も多々あります。
そのため、管理をするための巡視道の土砂を取り除いたり、足に引っかかりそうな根っこなどを切ったりするのも山師の重要な仕事のひとつです。
山師の仕事にご興味がある方は
ここまで山の仕事について軽く紹介してきましたが、お分かりいただけましたでしょうか?
そして、この記事で山師の仕事に興味を持って頂いた方に朗報!
ここでは書ききれなかった山師の仕事をさらに詳しく教えくれる「小菅村商工会」をご紹介します!
あなたも奥深くてやりがいのある山師の世界を覗いてみませんか?
小菅村商工会
所在地: 〒409-0211 山梨県北都留郡小菅村 4383−1
電話: 0428-87-0404
yamashi
こんにちは。僕は地元小菅村で林業の仕事をしている傍ら小菅村の素晴らしさを皆様に伝えるべくライターとしても活動しています。これからも沢山四季折々の素晴らしさを発信していきますのでチェックしてみて下さいね。