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まるで異世界。天空の塔、仏舎利塔。

2018/06/26 ライター:青栁やすは

 

 

東京都奥多摩町から小菅村へと向かう途中、山頂に白い建物が見えます。

山の上にあるので、小菅村村民にもなかなか知られざる、塔のようなふしぎな建物。

これは一体何なのでしょうか?!


山の上に、ナゾの建物が見えます。


 

白い塔へいざ。

 

奥多摩湖から小菅村方面へと地図を見てみると、標高982mの大寺山があります。

東京都奥多摩町・山梨県小菅村・丹波山村の3町村をまたぐ山です。

ナゾな塔があるこの大寺山の頂上には、奥多摩町・小菅村・丹波山村のそれぞれから登山道で歩いて行くことができます。

 

小菅村ルートで歩くと、1時間程度の道のりです。

小菅村からは、建設時に作られた作業道が林道として残っているので、軽自動車であれば車で行くこともできます。


登山道の入口には人気のおまんじゅう屋さん「チャーちゃんまんじゅう」があります。

アスファルトの村道を進むと、「大寺山登山口」の看板と林道が現れます。

林道はガードレールもない、車の幅ギリギリの未舗装路です。


林道はカーブがきつく、軽自動車が通れる幅しかありません。

運転に慣れない方は、歩いて行った方が安全です。

道がぬかるむ雨あがりや、凍結する季節は間違いなく危険です!

 

※2019年5月、林道が整備され、車でも登りやすくなりました。

また、仏舎利塔の周りも採石を入れ、歩きやすくなったそう。

 


いよいよ、塔が見えてきました…!


 

白い塔の全貌が明らかに!

 


開けた山頂に、どどーんとそびえる白い塔に到着!


ここは日本か?と異世界を思わせる雰囲気の白い塔。

この塔は、仏舎利塔(ぶっしゃりとう)という名前でした!


詳しいことが書かれた看板がありました。


仏舎利塔とはお釈迦さまの遺骨(舎利)を収めてある塔です。

仏教はインドが発祥の地であり、インドの仏塔を模して建てられているため、異世界の雰囲気が漂っています。

 

仏舎利塔という建物自体は世界各地にあり、日本では古くから五重塔や三重塔として建造されてきたそう。

近年は戦後の供養や、世界平和を祈願する目的で建てられているそうです。


階段を登って、黄金の仏像を間近で見ることができます。


正式名称「東京奥多摩仏舎利塔」は、なんと日本最大の仏舎利塔!

「東京奥多摩」という名前ですが、奥多摩町に建っているか、小菅村に建っているかは、はっきり分からないそうです(笑)


仏像は、見上げるほど大きいです。

写真では1体しか見えませんが、塔の四面にそれぞれ大きな仏像が鎮座しています。

塔からは、奥多摩湖が見渡せます。


 

東京奥多摩仏舎利塔記念法要

 

東京奥多摩仏舎利塔には鍵がかけられたりしないので、いつでも行くことができます。

神社のように人がいるわけではなく、山の頂上に静かにたたずんでいます。

 

そんな仏舎利塔ですが、年に一度5月の第4日曜日に行われる記念法要の日には、大勢の人が集まります。

塔の前には祭壇が組まれ、「南無妙法蓮華経」と書かれた旗や、5色の吹き流し型の旗が塔を飾ります。

法要は、日本山妙法寺の信者の方が集まって行われますが、一般の方も見ることが出来ます。


黄色い袈裟を着たお坊さんが、ずらりと集まっています。


法要ではお坊さんがお経を唱えるのはもちろん、信者の方も一緒に太鼓をたたきながらお経を唱えます。

塔のてっぺんからはお釈迦様を供養するための花びら、散華(さんか)がたくさん撒かれます。

お経が響き渡る中、ひらひらと花びらが青空を舞い降り、とても幻想的な雰囲気です!


塔のてっぺんからたくさんの花びらが舞い、幻想的な雰囲気の法要。

小菅村の大菩薩御光太鼓による、太鼓演奏の奉納も行われます。


まるで異世界のような仏舎利塔。

天空は意外と近くにあるみたいですよ。

 

 

5月の第4日曜日に行われる記念法要は、一見の価値ありですよ!

 


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    青栁やすは

    愛知県から小菅村に嫁ぎ、3人の子育てをしています。保育所の体育講師をしながら、小菅村の伝統工芸の「きおび」を使って、作品作りをしています。村に来る前は、環境教育に携わる仕事をしていました。小菅村でのスローライフを研究中。Instagramはこちら

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