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進化を続ける小菅村のクラフトビール醸造所Far Yeast Brewingの新たな挑戦!

2020/09/10 ライター:atsumi

 

 

小菅村には、Far Yeast Brewing(ファー イースト ブルーイング)というクラフトビールの醸造所があります。

「源流醸造所」と呼ばれるその工場では、アロマホップにこだわった、上品で香り豊かなビールが造られています。


定番で人気の”Far Yeast”シリーズのビール。


Far Yeast Brewingのビールは国内のビールコンテストで優勝するなど注目を集めており、道の駅こすげ 物産館でも人気の商品です。

Far Yeast Brewingについてはこちらの記事にて紹介しています。

「小菅村にある”源流醸造所”!Far Yeast Brewingのクラフトビールの魅力に迫る!」

 

今回は、 進化を続けるFar Yeast Brewingの新たな挑戦をご紹介します。


源流醸造所で働くスタッフ。工場ができてから、5名のスタッフが小菅村に移住しました。(2020年9月現在)


 

Far Yeast Brewingで造られるビールのラインナップ

 

Far Yeast Brewingでは、味や香りにこだわったさまざまな種類のビールが造られ、年間約20種類のビールが販売されます。

 

①定番・人気の”Far Yeast”シリーズ

 

 

豊かな香りが特徴のアロマホップを使い、”東京らしい”洗練された、上質な香りを楽しめるビールです。

醸造を重ねるたびにレシピが進化し、味わいも深まり続けているそうです。

 

②和のテイストが味わえる”KAGUA”シリーズ

 

 

日本国内の指定産地から直接購入する山椒やゆず、特別な酵母などの、選び抜いた素材で造られるビールです。

贅沢なかぐわしい香りが特徴で、季節感あふれる料理との相性も抜群。

 

③イノベーティブなビール造りに挑戦する”オフトレイル”シリーズ

 

 

「On Trail:しっかりと舗装された道路」ではなく、 「“ Off Trail ”:舗装されていない道」を突き進むイメージから命名されたシリーズです。

革新的なビール造りに挑戦することをテーマに、ビールを木樽で長期間熟成させる、バレルエイジングと呼ばれる手法でビール造りを行っています。

熟成と野生酵母(空気中、土壌、植物をはじめ自然界に存在しているすべての酵母)の働きから生み出される複雑な味や木樽の香り、そこに新しい素材を組み合わせることにより、独創的なビール造りに挑戦しています。

 

今回は”オフトレイル”シリーズの中から、新たに醸造にチャレンジした、小菅村の梅を使った「Ume-kin’ Me Crazy!」を造る様子を取材しました。


「Ume-kin’ Me Crazy!」は、新型コロナウィルスで観光客の減った山梨県を盛り上げるべく始めた「山梨応援プロジェクト」の一環として造られました。


 

小菅村の梅を使ったビール造りへの挑戦

 

 

「小菅村の梅を使ったビールを造りたい」と考えていたところ、高齢化等の理由で収穫できなくなった梅の木を管理している村人の存在を知り、梅を分けてもらえないか相談に行ったそうです。

 

 

梅採りから始まるビール造り

 

梅を管理している村人の収穫作業を手伝うことで、ビールを仕込むための梅を分けてもらうことに。


7月の暑い中、醸造所から5名のスタッフが梅の収穫のお手伝いに行きました。

収穫した梅200kgを醸造所に持ち帰りました。


また、スタッフたちはこの日だけではなく、別の日も村人のお手伝いに行ったそうです。

困ったときは助け合う、村ならではの良さを大切にしているのですね。

 

 

梅に合うビールを選定する

 

収穫した梅は、ビールに香りや味を付けるのに使われます。

小菅村の梅の魅力を引き出すにはどうしたらよいか、丁寧に考えながらビールは造られます。


梅に合わせるビールを熟成させている木樽。木樽を使うことで、梅とも合う香り豊かなビールになるそうです。


木桶で熟成されたビールは、今回のような季節限定のビール等に備えて造られたもので、数か月間寝かせられています。

ホップによる香りづけをしていない非常にドライな味です。


いくつもの木桶のビールの中から、梅に一番合うビールはどれか、慎重に味見をします。


梅を合わせた後の味を想像し、梅の香りを引き立たせることのできるビールを選ぶ、熟練の技が必要な工程です。

 

 

ビールに梅のエキスを抽出する

 

梅とビールの準備ができたら、タンクの中でビールに梅のエキスを抽出させます 。

毎回、新しいビールを造る際は、様々な手法を取り入れています。

今回は梅酒の造り方をビールに応用したそうです。


梅は事前に洗って冷凍させておくことで、エキスを抽出しやすくします。

冷凍させておいた梅をタンクに入れていきます。

梅を入れたタンクに先ほどのビールを投入し、寝かせることで梅のエキスを抽出します。


梅を使ったビールを造るのは初めてとのことで、日々こまめに香りや味のチェックをしながら、ビールの完成時期を慎重に見極めます。

 

 

小菅村の梅ビールの完成

 


完成したビールがこちら。


予想よりも早くに梅のエキスが抽出されたそうで、約1か月後にすべてを瓶に詰めました。

梅の爽やかな香りと酸味をしっかりと感じることのできるビールになったそうです。

 

ビールを飲んだFar Yeast Brewingスタッフの感想

サワービール(酸味が特徴のビール)ですが、発酵由来よりも梅の酸味が強く出ています。

梅由来の強い酸味が口に広がりますが、野生酵母のまろやかな酸味と香りが合わさり、口の中で味が複雑に変化していきます。

最後に抜けていく梅のフレーバーが心地よい、梅が主役の味になっています。


小菅村の梅の魅力を引き出すことにこだわったからこその味わいですね。


 

地域の素材を使った、新しいビール造りへの挑戦

 

Far Yeast Brewingでは地域の素材を生かし、その魅力を引き出すための新たなビール造りに挑戦していました。


よいビールを造ることで小菅村に貢献していけたら、という想いがあるそうです。


今後もFar Yeast Brewingの挑戦から目が離せません。

 

今回ご紹介した小菅村の梅を使ったビール「Ume-kin’ Me Crazy!」は期間限定での販売となります。

販売状況やその他のビールについては以下からご確認いただけますよ。

 

 

●Far Yeast Brewing ウェブストア

http://faryeast.com/

 

●道の駅こすげ 物産館

HP: http://kosuge-eki.jp/

 


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    atsumi

    2018年6月に千葉県から小菅村に移住。村の皆様からくらしの知恵を学びつつ、村の魅力を発信していくべく働いています!趣味は美味しいものを食べること・飲むこと。料理はまだまだヒヨコレベルです…。

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