
2017/8/9
ライター:
地主恵亮

カブトムシというものがいる。
子どもが憧れる黒くて硬くてツノがある虫だ。
大人でもカブトムシにはときめくだろう。
クワガタもカブトムシ同様だ。
夏になると虫かごを持って、カブトムシを捕りに出かけるのだ。
ただカブトムシやクワガタはそう簡単には捕れない。
だからこそ憧れの対象になるわけだけれど、可能なら無限に捕りたいに決まっている。
ということで、専門家にカブトムシに有効な罠を聞きに行こうと思う。
人は夢を持つ生き物だ。
織田信長は天下統一という夢を持ち、受験生は志望校合格という夢を持ち、日々生活に勤しんでいる。
そして、多くの人が共通で持つ夢が「カブトムシ及びクワガタを無限に捕る」である。

夏といえば、夏休み、海水浴、肝試しなどいろいろとあるけれど、カブトムシ捕りを忘れてはならない。
人類の夢なのだ。
無限にカブトムシを捕りたいのだ。
ただこれがそうも行かない。
簡単には捕まえることができない。

カブトムシは捕りに行ったからといって必ず捕まえられるわけではない。
彼らは夜行性だし、樹液を出している木にしかいないし、そもそも木々がないといないしなど、難しいのだ。
そこで詳しい人に教えてもらおうと思う。

蝦名元先生は生物のプロであり、「子どもにできる おもしろ生物実験室 生きものラボ!」や「群れ MURE 群れるって美しい。」などの著書もある、その道のプロ。
カブトムシの1匹や100匹、朝飯前なのだ。
蝦名元先生:もちろんしますよ!
ただ今年は少ないみたいです
そういうわけではないと思いますが、今年はカブトムシが全国的に少ないと言われています。
詳しくは分かりませんが、たとえば、本来は木の実などを食べる動物が木の実が不作で、土を掘り起こして幼虫を食べたなどがあるかもしれません。
詳しくは分かりませんが、そういう可能性もあるかな、と思います。
はい、カブトムシが少ないのは確定です!
カブトムシが実在するか? は冗談のつもりの質問だったけれど、今年は全国的にカブトムシが少ないという衝撃の事実が告げられた。
ただでさえ、捕まえるのが大変なカブトムシなのに、それが少ない。
地獄だ。

捕まえ方はいろいろあります。
カブトムシは光に集まるので、街灯の下で待ってみたり、白い布にライトを当てたり、木の下の土を掘り返したり。
一番効率的なのは「罠」じゃないでしょうか
バナナを切って、そこにカルピスをかけます。
そして、ストッキングに入れて、木に吊るすのがいいですね。
夜のうちに吊るして、朝それを見に行けばいるかもしれません。
あとは、バナナと焼酎などもあります。
なんでも大丈夫です!
コーラと焼酎をタオルなどに染み込ませてストッキングに入れるのもいいですね。
そうなのかもしれませんね。
なんで食べたのかが気になりますね、グルメ問題よりも。
カブトムシを捕まえる罠は「バナナとカルピス」、「バナナと焼酎」、「コーラと焼酎」ということになる。
これらをストッキングに入れて、夜に木に吊るしておけば、朝にはカブトムシが群がっているのだ。

樹液が出る木ならなんでもいいです。
大丈夫です。
桜でも、梅でも、もちろんクヌギやコナラでも。
そうですね、いま3種類の罠をあげましたが、どれが一番有効かはわかりません。
ぜひ実験してみてください。
ただ今年はカブトムシもクワガタも数が少ないですからね。

カブトムシを捕るべく、山梨県の小菅村にやってきた。
村の面積の90%が森林なのだ。
だったら、カブトムシもクワガタも朝の山手線くらいにいるだろうと思うのだ。
断言しよう、カブトムシとクワガタを捕るなら小菅村しかないのだ。


蛯名先生に教えてもらった罠を作るべく、バナナを大量に買い込み、小菅村にやってきた。
バナナ30本。
たぶんゴリラでも「いっぺんにそんなには食えないよ」と怒る量だ。
これらを細かく切って、カルピスと焼酎にそれぞれつける。






しばらくこのまま放置して、これらをストッキングにいれた。
ストッキングに入れるのは木に縛りつけやすく、また罠の回収にも楽だから。
自分の家に木があるのならば、これをそのまま木に塗りつけても問題ない。



コーラと焼酎というクックパッドでも絶賛されていた組み合わせも作った。
こちらも染み込ませたタオルをストッキングに入れる。
これで準備は整った。
吊るしに行こうではないか。
どの罠に一番、カブトムシはやってくるのだろうか。

今回は小菅村の5カ所に3種類の罠をそれぞれ仕掛ける。
そうすることで、どの罠が一番有効かを知ることができる。
有効なものがわかれば、今後はその罠だけを仕掛ければいいのだ。
ただそこは小菅村。
どの罠にもそんなに群れんなよ、って言いたくなるほどカブトムシが来ることだろう。



日が暮れて暗くなった村を周り罠をしかけた。
もちろん罠を仕掛ける時にもカブトムシはいないかな?
と、ひよこの雄と雌を見分ける人のように注意深く探した。
もちろんそこは小菅村だ。

いないのだ。
ただまだ焦る時間ではない。
我々は罠でのカブトムシ並びにクワガタの捕獲を目論んでいる。
またどの罠が有効かを知りたいのだ。
普通にいたのではダメなのだ。
カブトムシの方も空気を読んで出てこないでいるのだろう。


夜に仕掛けた罠を見に行くために次の日は朝4時に起きた。
日が昇るとたとえ罠にカブトムシが来ていても、眠りに帰ってしまう。
そのため、日が昇りきる前の時間に罠を確認しに行く必要がある。
そのためには朝4時なのだ。

眠たいか否かと問われれば、眠たい。
だって朝の4時だもの。
ただ全てはカブトムシのため。
カブトムシが無限に捕れれば、眠気なんて吹っ飛ぶのだ。
さぁ、見に行こうではないか。
全5カ所にそれぞれ3種類、合計15個の罠を。






驚いた。
15個全ての罠にカブトムシもクワガタも、カナブンすらいなかった。
アリがいたくらいだ。
こういうのって、場所が違うとかかる罠の種類が違って、どれも有効でした!
みたいなオチだと思っていたのに、どの罠にも0なのだ。

ただ蛯名先生も言っていたように、村の人に話を聞いても、今年はカブトムシが少ない、と言っていた。
どうやら今年はそういう年らしい。
以前、私は小菅村で10匹くらいは軽くカブトムシを捕まえたことがある。
ポテンシャルはあるが、今年はどうも違うらしい。




小菅村まで行ったのに、カブトムシもクワガタも捕れなかった、ということもあるだろう。
ただ道の駅にある「物産館」に行けば、カブトムシやクワガタが売られていたりする。

詳しい方に聞いて罠を作りしかけたけれど、一匹も捕まえることができなかった。
そもそも今年は数が少ない、ということもあるけれど、日によっても多少は異なる。
後日、同じように罠を仕掛けていたら、キチンとカブトムシが来ていた。
つまり失敗しても諦めず頑張れば明日は明るい、的なメッセージをカブトムシたちは発しているのかもしれない。

カブトムシが捕れる?!多摩源流の里「小菅村」をもっと知りたい方はこちらからどうぞ!

地主恵亮
1985年福岡生まれ。地味なファッションと言われることが多いので、派手なメガネを買おうと思っています。東京農業大学非常勤講師ですが、たいだい家にいます。ご連絡は「jinushikeisuke@gmail.com」までお願いします。
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