余りがち食材の代表、ワサビ漬けをおいしく食べる
2018/04/19 ライター:矢野加奈子
人はだれしも、買ったはいいが食べ方がイマイチわからない食べ物を放置し、冷蔵庫を腐海に変えてしまう生き物です。
今回はそんな余りがちな食材の代表格である、ワサビ漬けの美味しい食べ方を考えてみました。
ワサビ漬け余る問題
ワサビ漬けという、商品があります。
本ワサビの茎や根を細かく刻み、粕漬けにしたものです。
ワサビの名産地ではよく作られています。
本来本ワサビは芋と呼ばれる地下茎の部分をすりおろして食べるのですが、葉や茎などその他の部分もワサビ漬けにすれば残さず食べることができるのです。
ピリリとした辛味と酒粕の香りで、お酒が進む最高のつまみなのです。
ご飯とも合うのですが、一度に大量に食べるものではありません。
ごはんのおともにも!
また、ワサビは空気に触れると香りや辛さが飛びやすく、ワサビ漬けもその性質を受け継いでいます。
開けたらすぐに閉めるなど、気を遣って食べなくてはいけません。
気をつけて食べていても、すぐに香りが飛んでしまうものなのです。
そんなワサビ漬けなので、大抵余りがちです、そのまま食べる以外の活用が思いつきにくいというのも要因だと思います。
気づいたら、一発屋芸人のように記憶の奥底に追いやられ忘れられているのです。
ワサビ漬けを求めて小菅村へ
まずは美味しいワサビ漬けを求めて、山梨県小菅村に行きます。
ワサビといえば水の綺麗なところが産地、に相場は決まっているのです。
山梨県小菅村は多摩川の源流域の地域の一つで、水が綺麗なことで知られています。
昔から沢では良質なワサビが作られており、香りのいいワサビの名産地です。
村では、もちろんワサビ漬けも作られており、村の物産館でいつでも買うことができます。
葉や茎だけでなく、根の部分も多く使われている贅沢仕様で、香りがいいので、苦手な方でも、食べやすいです。
こんなに美味しい小菅村のワサビ漬けでさえ、余りがちです。
どんなに美味しくても、量食べられるものじゃない、ということが最大の余りがち要因だと思います。
余ったワサビ漬けは香りも辛味も時間が経つととんでしまい、そのまま忘れ去られていくのです。
少し食べれば満足
小菅村では食べないワサビ漬けはそのまま冷凍しておくと長持ちする、という技術もあるのですが、やはり作りたての美味しさを食べたいですよね。
それに、もし、食べかけのものだったら、なんとなく冷凍するのは抵抗があります。
ワサビ漬けはこうやって食べよう!
そこで、私なりに研究し、ワサビ漬けに合う食材や食べ方を皆さんにご紹介したいと思います。
その1、ワサビ焼肉
ワサビ漬けは、そのワサビの爽やかな風味から、肉料理にたいへん合います。
とくに脂身の多い肉をさっぱり食べるのに良いのです。
ステーキもたまに本ワサビや西洋ワサビがつくなど、ワサビと肉との相性バッチリなのです。
さしの多い牛肉も美味しいのですが、私のオススメは何と言っても豚肉です!
豚肉特有の甘い油は、食べ過ぎると少しもたれてくると思うのですが、焼いた肉をタレにつけ野菜に巻き、ワサビ漬けをつけて食べるとめちゃくちゃさっぱりします。
さっぱり具合でいうと、夏の夕方4時ごろに入った風呂のようなさっぱりです。
いくらでもいけそうで、ワサビ漬けがあれば豚一頭いけるかもしれません。
豚さん生まれて来てくれて、ワサビ漬けと出会ってくれてありがとう。
そんな気持ちになります。
ワサビ漬け+豚肉=さっぱりの公式はテストに出る可能性もあるので、覚えましょう。
その2、ワサビ漬けタルタル
ワサビ漬とは、ワサビの粕漬けです。
そのシャクシャクとした食感と、粕漬けならではの酒粕の旨味が活かせる料理が「ワサビ漬けタルタル」です。
タルタルソースに入っている、ピクルスの代わりにワサビ漬けのシャクシャクなのです。
また、酒粕の独特の風味をマヨネーズが和らげ、食べやすくしてくれます。
このコンビが漫才をやったら、地面が割れるほど笑いが起こるに違いありません。
このソース、タルタルなので、揚げ物との相性はバツグン!エビフライはもちろん、トンカツなどにもぴったりです。
小菅村では、このタルタルをヤマメの小さいサイズを唐揚げにした料理、よちよちヤマメにつけていただきます。
それも美味しい!
ワサビ漬けの独特の風味をマイルドに変えて、苦手な方でも食べられます。
ワサビ漬け+マヨネーズはマイルドと覚えましょう!
だって、棘の抜けたバラくらいマイルドなのです。
その3、ワサビ漬けディップ
量を大量に食べる手段がないのも、ワサビ漬けが余りがち食材になる原因です。
そこで、紹介したいのが、大量に食べられるワサビ漬けディップです。
1人で食べる量はたかが知れていますが、みんなで食べればあっという間になくなります。
みんなが集まって食べる瞬間といえば、そうです、それはパーティーシーンです。
そんな、パーティーシーンにふさわしいのが、ワサビ漬けディップなのです。
先ほどのワサビ漬けタルタルの応用編で、基本のタルタルに、ツナ等の好きなものを混ぜ、ディップを作ります。
今回はツナをいれてみました。
最高の組み合わせは無限にでてくるのです。
無限とは宇宙のことではなく、もしかしたら、この手のひらのワサビ漬けにあるのかも知れません。
これらのディップをクラッカーに塗り、そのまま食べても良し、さらに具材をのせても良し。
その掛け合わせは、私達が一生を使ってもまだ到達できないほどの広がりを見せるのです。
これなら、パーティでも盛り上がり、ワサビ漬けも大量に消費できます。
足りなければ小菅村は新宿から車で2時間5分の距離にあるので、買いに走ればいいのです。
ワサビ漬けで盛り上がろう!
なんなら、小菅村でパーティしてもいいと思います。
そうすれば、ワサビ漬けは無限に手に入るし、美味しい食材もたくさんです。
クラッカーだけは買って来るのをお忘れなく!
「ワサビ漬け」は、道の駅こすげで購入いただけます。
● 道の駅こすげ 物産館
小菅村に来たら、こちらでどうぞ。
矢野加奈子
多摩川源流大学担当のスタッフです。美味しいものと楽しいこととズゴックが大好きな平均的な人間です。 源流大学で「ちゃの」と言えば私のことです。名字の「やの」とは関係ないけど。